温間加工によってマルテンサイト変態が抑制された状態で、高降伏点化できることを明らかにした。500℃で圧延を行った材料の透磁率は1.015であり、非磁性といえた。また、結晶組織も極めて微細であった。圧延方法は、我々が開発した連続温間圧延機を用いて、本線材は、初期直径6mmから約直径3mmまで圧延された。磁石に着くことがなく非磁性であった。TS=1020MPa, 全伸び18%、絞り74%を得た。この結果、通常のSUS304鋼の3倍の降伏強さを得たことになる。以上のことより、温間強加工によって、非磁性・高降伏点SUS304オーステナイト線材開発の可能性を明らかにした。
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