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2011 年度 実施状況報告書

超臨界二酸化炭素を利用した無溶媒塗装の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23560900
研究機関東北大学

研究代表者

佐藤 善之  東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50243598)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード粘度 / 溶解度 / 希釈剤
研究概要

市販のプロセス粘度計に圧力容器を取り付けることにより高圧での粘度測定を可能とした。粘度計の校正には3種類の粘度標準液を用いて大気圧下で5~600 mPa sの範囲で校正した。本装置を用いてポリブタジエン(PBD)の二酸化炭素溶解による粘度低下を温度313 K~353 K、圧力~15 MPaの範囲において測定した。また、シンセティック法の装置によりPBD中の二酸化炭素溶解度を313 K~353 K、圧力~15 MPaの範囲で測定した。 PBDの粘度は二酸化炭素圧力の増加に伴い指数関数的に減少し、低圧域(<5 MPa)で特に大きく減少した。一方高圧域では粘度の減少は徐々に緩やかになった。また、粘度減少の圧力効果は低温ほど大きく、高温ほど小さくなった。これらの傾向はPBD中の二酸化炭素溶解度の傾向と類似しており、二酸化炭素の溶解度が粘度に大きく影響与えていることがわかった。すなわち二酸化炭素によるPBDの希釈により大きく粘度が低下したと考えている。 この粘度の圧力依存性を表現するために、自由体積理論に基づく粘度推算モデルを適用した。推算に必要な溶解度、比容積はSanchez-Lacombe(S-L)状態式により求めた。推算にあたり大気圧でのPBD粘度の温度依存性から必要なパラメータ決定した。自由体積理論により二酸化炭素存在下での粘度低下を平均偏差15%で推算可能であり、実用的に十分な精度であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画では噴霧試験を優先していたが、PBD粘度の圧力依存性の挙動の解明に注力したため、PBD中の二酸化炭素溶解度測定を優先した。この結果、粘度に対する自由体積理論が適用可能となりその推算性が有効であることも確認することができた。このため噴霧試験を行うにあたり予め粘度予測が可能となるので、実験条件の選定などがやり易くなる。

今後の研究の推進方策

申請書のとおり(1)噴霧試験、(2)粘度測定、(3)オリゴマー調整、(4)粘度推算・二酸化炭素溶解性評価、(5)効果試験を組み合わせ、より良いオリゴマー種の探索を図っていく。なお、実施状況報告書において次年度使用額が生じたが、これは3月開催の学会の参加において旅費の申請が遅くなったため、支払いが4月になったことによる。支払いが年度を越したが、実質は予定通りに使用していた。

次年度の研究費の使用計画

使用する試薬品類の購入や、ノズルや配管部品等の消耗品類の購入に使用する。

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公開日: 2013-07-10  

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