研究課題/領域番号 |
23560915
|
研究機関 | (財)ファインセラミックスセンター |
研究代表者 |
永野 孝幸 (財)ファインセラミックスセンター, その他部局等, 研究員 (70450848)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | セラミックス / 構造機能材料 / 反応分離工学 / 化学工学 / 水蒸気 / シリカ / アルミナ |
研究概要 |
メソポーラスシリカは界面活性剤を使用して、規則的な細孔を形成することにより作られる。そのため、平坦な単結晶基板上へ作られるケースがほとんどである。ガス分離膜の中間層として、メソポーラスシリカを利用するためには多孔質円筒基板上に細孔を垂直配向させるか、三次元状に細孔を形成させる必要がある。そこで、多孔質円筒基板上へのメソポーラスシリカ膜の形成を目的として、合成手法を検討した。 まず、界面活性剤(F127):エタノール(C2H5OH):水(H2O) = 0.03:100:100 の割合で混合した溶液に対し、シリコン源としてテトラエトキシシランを3:1の割合でスターラーを用いて混合し、ディップコート用溶液とした。基材はΦ6mm、長さ50mm、細孔径1ミクロンのα-Al2O3基材を用いた。基材の端部をシリコンゴムにてシールし、ディップコート溶液が基材内部に浸入しないように処理した後、引き上げ速度3mm/sの条件にてディップコートした。ディップコートした基材は乾燥後、5NHClを触媒、テトラエトキシシランをシリコン源としたオートクレーブ中で180℃ 4時間の条件で仮焼した。その後、大気中、600℃ 2時間の条件で焼成した。 水蒸気による毛管凝縮法を用いて、多孔質円筒基板上へ形成されたシリカ膜の細孔径分布を測定したところ、平均細孔径0.6nmの細孔で構成されていることが分かった。 ディップコートを2回行ったサンプルでは焼成後にシリカ膜にクラックが発生しており、残留応力緩和のために膜厚を薄く制御する必要がある。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
細孔分布測定装置の故障により、細孔径分布のデータを合成手法にフィードバックすることが遅れた。
|
今後の研究の推進方策 |
複数の界面活性剤を同時に比較検討して、合成手法と細孔径分布の関係を明らかにしていく。分離活性層成膜に適した細孔径分布を有するものについては耐熱耐水蒸気性について検討していく。
|
次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度に得られた実験結果に基づき、金属ドーピングしたメソポーラス中間層の細孔径制御技術を確立する。・金属ドープしたメソポーラス中間層の耐久性評価・細孔径制御技術の検討・高温水蒸気暴露前後の細孔径、細孔径分布評価(毛管凝縮法、窒素吸着法)、水素ガス透過率及び水素ガス選択透過性評価(定容圧力変化法)、結晶性評価(XRD)、微構造観察(SEM, TEM)
|