テトラエトキシシラン、水、塩酸を所定量混合してA液とし、界面活性剤P123、エタノール、水、塩酸を所定の割合で混合し、B液とした。A液とB液を混合し、A+B溶液に対し、3:1の割合でポリビニルアルコールを加え、ディップコート用溶液とした。 細孔径80nmのαーアルミナ多孔質基材の端部をシリコンゴムにてシールし、ディップコート用溶液が基材内部へ侵入しないように処理した後、引き上げ速度3mm/sの条件でディップコートした。ディップコートした基材は直ちに真空デシケーター内でロータリーポンプを用いた真空急速乾燥を行った。 基材は乾燥後、大気中200℃ 2時間の条件で焼成した。 水蒸気を用いた毛管凝縮法により、多孔質円筒基材上へ形成されたシリカ膜の細孔分布を測定したところ、界面活性剤により形成された約1.5nmの孔とアルミナ多孔質基材の細孔を修飾することにより形成された約10nmの細孔で構成されていることが分かった。 ディップコート溶液にエタノールを混合することにより、ゲル化を抑制してゾルの安定化を図り、ポリビニルアルコールにより成膜時の割れを防ぎ、且つ真空中で強制乾燥することで安定的にメソポーラスシリカ膜を3次元的にアルミナ円筒基材上へ形成することが可能となった。
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