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2013 年度 実績報告書

シリコンイオン液体中での過渡回折格子法による短寿命ラジカル種の拡散係数の測定

研究課題

研究課題/領域番号 23560918
研究機関金沢大学

研究代表者

高橋 憲司  金沢大学, 自然システム学系, 教授 (00216714)

キーワードイオン液体 / 分子拡散 / 粘度 / シラン構造
研究概要

本研究ではシリコンオイルでは分子拡散が早いことに着目し、シリコンオイルと同じシロキサン構造を持つシリコンイオン液体をいくつか新規に合成してきた。そして、その液中での拡散係数を、レーザー光を利用した過渡回折格子(TG)法により測定を行った。またイオン液体は上述した問題点やコスト面を考慮し、有機溶媒と混合して使用される事例が多い。そこで、本研究ではイオン液体と有機溶媒の混合比率を変化させることで拡散係数がどのように変化するかをTG法により測定した。
合成にはpyrrolidine及びImidazoleを用い,側鎖にはシラン構造(-Si-)を持つ3-Chloropropyltrimethylsilaneを用いた。TG法にはジフェニルシクロプロペノン(DPCP)の光解離反応を利用した。DPCPを355nmで光励起することでジフェニルアセチレン(DPA) と一酸化炭素(CO)が生成する。これらの分子のイオン液体中での拡散係数をTG法により測定した。
一般的に流体中の拡散係数はStokes-Einstein(SE)式に従うが、イオン液体中のCOの拡散係数はSE式より遥かに大きくなること、その中でもシリコンイオン液体中のCOの拡散係数は他のイオン液体よりも少し大きくなることが分かった。その理由として、イオン液体は大きなサイズのカチオンとアニオンから成るため、分子間の空隙が大きく、COのような小さな分子は拡散しやすいためと考えられる。シランやシロキサン構造がある場合はさらに分子間の空隙が大きくなる。混合溶液中のCOの拡散係数と粘度の逆数は指数関数関係で、どの混合溶液でも拡散係数と粘度の逆数の関係はほとんど変わらなかった。
シリコーンイオン液体中のCOの分子拡散は速くなることが分かった。混合溶液においてイオン液体や有機溶媒が変わっても拡散係数の粘度依存性は変わらないことが分かった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Twin-peaks absorption spectra of excess electron in ionic liquids2014

    • 著者名/発表者名
      R.Musat, T. Kondo, Y. Yoshida, K. Takahashi
    • 雑誌名

      Radiation Physics and Chemistry

      巻: 100 ページ: 32-37

    • DOI

      10.1016/j.radphyschem.2014.03.013

    • 査読あり
  • [学会発表] 過渡回折格子法によるシリコンイオン液体中の拡散係数と粘度の関係2013

    • 著者名/発表者名
      合歓垣慎也, 松下裕貴, 高橋憲司
    • 学会等名
      第4回イオン液体討論会
    • 発表場所
      慶応義塾大学日吉キャンパス
    • 年月日
      20131120-20131121

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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