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2013 年度 実績報告書

フィールドバス計装システムにおける自動調節弁の早期故障検出法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23560921
研究機関九州大学

研究代表者

柘植 義文  九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00179988)

キーワード化学工学 / 自動調節弁 / 故障診断 / フィールドバス
研究概要

(1) 調節弁の挙動を良く表す変数として,調節弁開度(MV),開度指示値(OP),ダイヤフラム室内空気圧(P)の3変数に着目して,共通因子が1つの因子モデルを作成した.共通因子Fは3つの変数と正の相関があり,固着がないときは係数に相当する負荷因子量は1に近い値をとる.しかし,固着が進行すると,Pの挙動が大きく変化する.また,Pの挙動は調節弁が開く方向Openと閉じる方向Closeとで異なる挙動をとるために,両者を区別した2種類のモデルを準備した.このとき,固着の程度が大きくなると,Pの負荷因子量が小さくなり,固着の程度を定量的に評価することが可能であった.
(2) 固着がなくても,調節弁はグランドパッキンに接しているために必ず摩擦力が働くために,MVとPとの間にはヒステリシスがある.固着が進行すると,このヒステリシスの程度が大きくなっていく.この程度を定量化するのに判別分析法を適用して,固着の程度に対応する指標を定義した.調節弁の挙動を,前述のOpenとCloseおよび一定に維持(Keep)に区分して,それぞれの指標を計算したところ,いずれの指標も固着の進行に比例して大きくなった.特に,Keepの状態でも固着の進行を定量的に評価できた点は実用上有益な結果である.
(3) 前の2つの手法は,運転中にある程度のデータを蓄積しないと判定することはできない.これに対して,昨年度検討した指標自体はオンラインで計算できるものであった.その指標をさらに改良し,逐次確率比検定と組み合わせることによって,オンラインで固着の程度を評価する手法を開発した.固着がないときは,指標の値は平均μ0,分散σ2の正規分布に従う測定値が得られるのに対して,固着が進行したときは平均だけがずれることになる.実験では,このずれの大きさを超える状況を的確に検出することでき,有効性を示すことができた.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 探索的因子分析を利用した調節弁の早期固着検出法

    • 著者名/発表者名
      久保恭兵,藤原朱実,木村直樹,柘植義文,馬場岳彦
    • 学会等名
      日本設備管理学会秋季研究発表大会
    • 発表場所
      北九州市
  • [学会発表] Simulation of Pneumatic Control Valve Behavior in Consideration of Stiction

    • 著者名/発表者名
      Chihiro IDE, Takehiko BABA, Akemi FUJIHARA, Naoki KIMURA1, Yoshifumi TSUGE
    • 学会等名
      26th International Symposium on Chemical Engineering (ISChE 2013)
    • 発表場所
      Busan, Korea

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公開日: 2015-05-28  

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