研究課題/領域番号 |
23560923
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
尾上 薫 千葉工業大学, 工学部, 教授 (40265468)
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研究分担者 |
岡田 昌樹 日本大学, 生産工学部, 講師 (60287597)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 環境技術 / 有害化学物質 / 微細気泡 / ミスト / 大気圧プラズマ / フェノール / p-クロロフェノール / クロロベンゼン |
研究概要 |
水質浄化における残留性有機汚染物質(POPs)の処理では,薬剤を使用せず,効率的に対象物質を複数処理できる技術の開発が望まれている.本研究では,POPsの一つであるポリ塩化ビフェニル(PCB)を含有する排水に対するオゾン (O3) 微細気泡・液滴/プラズマ複合法を用いた同時分解処理に着目した.気-液系における異相接触反応では,異相界面反応場での特異的な反応の進行が期待できる.さらに,異相界面反応場へのプラズマ照射により反応場を活性化することで,通常では分解困難な物質を処理できる可能性がある.平成23年度は,O3微細気泡法によるPCB疑似モデル物質の分解処理に関する検討を行った.PCBの脱塩素化分解およびベンゼン環の壊裂を目的とし,フェノール,p-クロロフェノール,クロロベンゼンを分解対象物として選択した.また,O3微細気泡をイオン交換水に導入し紫外線(UV)照射を併用すると酸化力が高い酸素種活性種 (OS ; O3 , OH・など) の生成を促進できることが明らかとなっている.さらに,O3微細気泡によるPCB分解過程では酸化力が高いハロゲンオキソ酸が生成し,PCB分解を促進する可能性がある.そこで,ハロゲンイオンが共存する場合のフェノールの分解効果を検討するため,フェノール水溶液にNaClまたはNaBrを添加した系についても実験を行った. O3微細気泡法の効果は物質濃度,水溶液pH,電気電導度,酸化還元電位,酸素種活性種濃度の時間変化をもとに評価した.その結果,以下の知見が得られた.1)O3微細気泡によるフェノールの分解効果は顕著であるが,NaCl,NaBrの添加効果は些少である.2)O3微細気泡によりクロロフェノールの分解が生じるが,UV照射の併用効果は些少である.3)O3微細気泡またはUV照射によりクロロベンゼンの分解が生じるがO3/UV照射の併用効果は些少である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
フェノール,p-クロロフェノール,クロロベンゼンを分解対象物としてO3微細気泡法による脱塩素化分解およびベンゼン環の壊裂反応を行い,気-液系における異相接触反応の基礎的知見が得られている.
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今後の研究の推進方策 |
プラズマの生成条件の基礎検討として,プラズマの射出長さの測定,プラズマの分光計測による生成活性種の状態および温度のシミュレーション,およびプラズマの液相到達時のプラズマ温度の試算などを行う.さらに,ミスト/プラズマ法によるPCB含有排水分解を行う際のプラズマによる1)化学的効果,2)物理的効果,および3)熱的効果について実験的検証を行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度以降では,ミスト/プラズマ複合法のハイブリッド効果の検討を行う.さらに,得られた知見を基に,バブル・ミスト/大気圧プラズマ複合法のハイブリッド効果を検討した後,最終的に本手法におけるPCB含有排水の最適処理条件を明らかにする.そのため,研究費は上記検討に必要な試薬や原料ガス等の消耗品費に主に使用する.その他には,実験補助のための謝金,および研究成果を公表するための国内学会発表の旅費として使用する.
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