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2013 年度 実績報告書

エチレン低重合に高活性な層状粘土鉱物固定化遷移金属錯体における配位子構造の最適化

研究課題

研究課題/領域番号 23560927
研究機関埼玉大学

研究代表者

黒川 秀樹  埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (50292652)

キーワードニッケル錯体 / エチレンオリゴメリゼーション / 錯体固定化触媒 / 粘土鉱物担持触媒 / 合成フッ素雲母 / モンモリロナイト
研究概要

独自に開発した触媒調製法により、層状粘土鉱物層間に鉄およびニッケル錯体を固定化した不均一系エチレンオリゴメリゼーション触媒に関して、配位子上の置換基が触媒活性や生成物分布に与える影響について検討した。特に最終年度は、含フッ素置換を有するα-ジイミンニッケル系触媒について、配位子上に電子吸引性の置換基であるフッ素原子およびトリフルオロメチル基を導入して、その影響を調べた。その結果、ニッケル系触媒では、フッ素原子を導入すると、フッ素原子数の増加に伴って触媒活性の大幅な上昇が観測された。この活性向上の要因を詳細に検討した結果、電子吸引基の導入により触媒の熱安定性が大幅に改良されたことにより、活性の持続性が向上したためと分かった。また、フッ素原子を過剰に導入すると(トリフルオロフェニル基)、活性が急激に低下した。これはフッ素原子による過度の電子吸引がニッケル上の電子密度を大幅に低下させたために、エチレンと活性種との相互作用が強固になり、ニッケル-アルキル結合へのエチレンの挿入反応が起こりづらくなったためと推測した。さらに、フッ素原子の導入は生成物分布には大きな影響を与えないことが分かった。
3年間の検討により、鉄およびニッケル錯体によるエチレンの重合に関して、ビス(イミノ)ピリジン鉄系錯体を固定化した触媒では、フェニル基上に電子供与基を導入すると触媒活性が向上し、電子吸引基を導入すると大幅に活性が低下すること、α-ジイミンニッケル系錯体を固定化した触媒では、その逆の効果が観測された。これらの結果は、配位子上の置換基の電子的効果を最適化することにより触媒活性の大幅な向上が達成できること、中心金属の種類によって効果が異なり、8族錯体には電子供与基、10族錯体には電子吸引基が望ましいことが分かった。この電子的効果については、今後、量子化学計算等を活用して詳細に検討する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Nickel (II) complex bearing fluorine-substituted α-diimine ligand immobilized in fluorotetrasilicic mica interlayer as heterogeneous catalysts for ethylene oligomerization2014

    • 著者名/発表者名
      Hideki Kurokawa, Ryota Ogawa, Kazuhiro Yamamoto, Tsutomu Sakuragi, Masa-aki Ohshima, Hiroshi Miura
    • 雑誌名

      Journal of the Japan Petroleum Institute

      巻: 3 ページ: 146-154

    • DOI

      dx.doi.org/10.1627/jpi.57.146

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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