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2012 年度 実施状況報告書

新型多次元細孔ゼオライトの環境調和型酸化触媒への展開

研究課題

研究課題/領域番号 23560930
研究機関横浜国立大学

研究代表者

窪田 好浩  横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (30283279)

キーワードチタノシリケート / Ti-YNU-2触媒 / フェノール酸化 / 過酸化水素 / スチーミング
研究概要

我々が最近合成に成功した新規ゼオライト類YNU-2およびその前駆体YNU-2Pの化学挙動は多様性に富み、欠損部位の生成とその修復を意図的に行うことができる。これまでに本物質の欠損部位の精密解析を行い、触媒化するための基本的な知見を蓄積してきた。本研究では、欠損部位を足がかりにした触媒活性点としてのTiの導入と高性能なフェノール酸化触媒への展開を主要目的としている。オレフィンのエポキシ化に優れた触媒性能を示すTi-BEAやTi-MWWは、フェノール酸化には適さない。このように難度の高いフェノール酸化反応に対し、Ti-YNU-2触媒の高性能化を図ってきた。そして本年度、非常に優れた触媒性能を実現した。
平成23年度に各条件で調製したTi-YNU-2を酸化触媒とするフェノールの酸化の実施へ向けて、さらなる調製法の検討を行った。 (1)YNU-2へのTi導入量の増加、(2)Ti-YNU-2の疎水性向上の実現には「Ti導入時」および「焼成時」の[温度]と[雰囲気]が重要なファクターである。Ti導入温度を200~300 ℃、水蒸気分圧を10~50 kPaの間で変化させた。その後の焼成条件は450 ℃, 3 hとした。その結果、Ti導入温度は250 ℃、水蒸気分圧は10 kPaの時にTiの導入が効率よく起こることが判明した。導入時間は24 hである。これらの知見に基づきTi-YNU-2の触媒性能の向上を図る。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

YNU-2へのTi導入量の増加や、Ti-YNU-2の疎水性向上のための最適条件を見出している。
H25年度の実施内容にも含まれうる結果まで得られてきているので、達成度は高いものと認識している。

今後の研究の推進方策

触媒の骨格づくりと活性点の導入が効率よくできるようになってきたので、今後の触媒性能の検討にスムーズに移行できる。触媒反応の結果から触媒調製の方へフィードバックをかけながら、今後の研究を推進して行く。

次年度の研究費の使用計画

該当なし。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 図書 (1件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Rapid synthesis of an Al-rich MSE-type zeolite via the hydrothermal conversion of an FAU-type zeolite2013

    • 著者名/発表者名
      S. Inagaki, Y. Tsuboi, Y. Nishita, T. Syahylah T. Sulong, T. Wakihara Y. Kubota
    • 雑誌名

      Chemistry - A European Journal

      巻: 19

    • DOI

      DOI: 10.1002/chem.201300125

    • 査読あり
  • [学会発表] スチーミング処理によるYNU-2ゼオライトの骨格構造の安定化2012

    • 著者名/発表者名
      佐々木麻希子
    • 学会等名
      第28回ゼオライト研究発表会
    • 発表場所
      タワーホール船堀(江戸川区)
    • 年月日
      20121129-20121130
  • [学会発表] 1.Catalyst Preparation from Highly Defective Zeolite Precursor YNU-2P,2012

    • 著者名/発表者名
      窪田好浩
    • 学会等名
      1st International Conference on Emerging Advanced Nanomaterials-2012 (ICEAN-2012)
    • 発表場所
      ブリスベン(オーストラリア)
    • 年月日
      20121022-20121025
  • [学会発表] Ti-MCM-68を触媒としたフェノール酸化における溶媒添加によるパラ選択率の向上2012

    • 著者名/発表者名
      坪井靖之
    • 学会等名
      第110回触媒討論会
    • 発表場所
      九州大学伊都キャンパス
    • 年月日
      20120924-20120926
  • [学会発表] MSE型チタノシリケートTi-YNU-2の酸化触媒性能とTiの配位環境2012

    • 著者名/発表者名
      佐々木麻希子
    • 学会等名
      第110回触媒討論会
    • 発表場所
      九州大学伊都キャンパス
    • 年月日
      20120924-20120926
  • [図書] 触媒の設計・反応制御事例集2013

    • 著者名/発表者名
      窪田好浩
    • 総ページ数
      827
    • 出版者
      技術情報協会
  • [備考] Kubota Lab

    • URL

      http://www.kubota.ynu.ac.jp/

  • [産業財産権] MSE型ゼオライト及びその製法2012

    • 発明者名
      窪田好浩
    • 権利者名
      窪田好浩
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2012-186248
    • 出願年月日
      2012-08-27

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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