研究課題/領域番号 |
23560941
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
滿倉 浩一 岐阜大学, 工学部, 助教 (70324283)
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研究分担者 |
吉田 豊和 岐阜大学, 工学部, 教授 (90220657)
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キーワード | 不斉還元 / イミン還元酵素 / 光学活性アミン |
研究概要 |
NADPH再生系と(R)-および(S)-エナンチオ選択的イミン還元酵素(RIR およびSIR)のカップリングによる2-methyl-1-pyrroline(2-MPN)の還元反応を検討したところ、高変換率(>90%)で光学活性アミンの合成に成功した。しかしながら、本法は、光学活性アミンの大量調製に多量の酵素を必要とすることから、組換え大腸菌の作製を検討した。 RIRおよびSIR遺伝子を発現用プラスミドに挿入した後、大腸菌の形質転換を行ったところ、どちらもIPTG添加で酵素を発現し、2-MPN還元活性を示した。また、発現した酵素の立体選択性は、精製酵素の立体選択性と同じであった。さらに、イミン還元酵素遺伝子と枯草菌由来グルコース脱水素酵素(GDH)遺伝子をタンデムに連結したベクターを作製し、大腸菌内で発現を検討したところ、両酵素とも発現し、酵素活性を示した。 SIRとGDH遺伝子を挿入した組換え大腸菌を用いて、ジヒドロイソキノリン類の変換反応を検討したところ、変換率は低いものの、高い光学純度でアミンを生成した。 野生株(放線菌)に比べて、取り扱いが容易な組換え大腸菌を作製したことによって、生体触媒として利用できる可能性が広がった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1) 補酵素再生系とイミン還元酵素とのカップリングによる効率的な光学活性アミン合成を達成した。 2) RIRとSIR遺伝子組み換え大腸菌を作製した。また、イミン還元酵素遺伝子とGDH遺伝子をタンデムに連結したベクターを作製し、その組換え大腸菌を作製した。
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今後の研究の推進方策 |
以下に示した研究を実施する予定である。 1) 高発現組換え菌の作製 2) 基質特異性の検討 3) イオン液体反応場での酵素反応
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次年度の研究費の使用計画 |
主に1)-4)の項目について研究費を使用する予定である。 1) 消耗品 (試薬やガラス器具など) 2) 機器分析経費 3) 研究成果発表および当該研究に関連した情報収集のための旅費等 4) 査読付き論文の別刷
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