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2012 年度 実施状況報告書

培養細胞を用いた食品成分の抗酸化性評価法

研究課題

研究課題/領域番号 23560950
研究機関神戸女学院大学

研究代表者

寺嶋 正明  神戸女学院大学, 人間科学部, 教授 (30172092)

キーワード抗酸化性 / 動物細胞 / 食品 / ミオグロビン / 野菜
研究概要

1. 動物細胞培養条件、分析条件の再検討
平成23年度の研究ではHepG2細胞を用いた抗酸化性の測定データに無視できないばらつきが見られ、細胞の継代培養時の安定性にも難があったために、研究の進行が遅れがちであった。平成24年度はまず最初に、HepG2細胞を用いて安定に抗酸化性を測定するために、原法の培養条件(培地組成など)、測定条件(蛍光試薬を溶かす溶媒)に改良を加えた。その結果、安定して測定を行えるようになった。
2. 純物質および野菜試料の抗酸化性
フェルラ酸、アスコルビン酸、カプサイシン、カルノシンがHepG2細胞内でペルオキシラジカルに対して示す抗酸化性の濃度依存性を明らかにした。いずれも比較的高い抗酸化性を示した。次にハクサイ、ダイコン、ホウレンソウ、タマネギに同量のミリQ水を加えてホモジネートを調製し、固形物を取り除いた水抽出物試料を用いて、抗酸化性を測定した。野菜から調製した試料もHepG2細胞内で比較的高い抗酸化性を示すことを明らかにすることができた。ホウレンソウ、タマネギは研究代表者が開発したミオグロビン法による抗酸化性評価法でも比較的高い抗酸化性を示した野菜である。ハクサイはミオグロビン法ではあまり高い抗酸化性は示さなかったが、HepG2内では比較的高い抗酸化性を示した。同じペルオキシラジカルに対する抗酸化性でもミオグロビン法ではタンパク質の変性に及ぼす影響を直接観測しているのに対して、HepG2細胞を用いる方法では細胞内での様々な反応の総体として抗酸化性を観測しているために、このような差が生じたものと考えている。また、ミオグロビン法とHepG2細胞を用いる方法における抗酸化性評価結果を詳細に比較することで食品成分が示す抗酸化性に対する理解がより深まるものと期待できる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験条件を見直した結果、細胞の培養と蛍光測定が順調に進むようになった。純物質、野菜に対する抗酸化性の測定データも順調に増え続けている。

今後の研究の推進方策

1. HepG2細胞を用いて、パーオキシナイトライト、次亜塩素酸イオン、ヒドロキシラジカルに対する抗酸化性の測定を試みる。これらの活性種の細胞内への移行速度が遅い場合には測定ができない可能性もある。
2. 野菜ジュース類、野菜、抗酸化性ペプチドなど様々な食品成分の抗酸化性をミオグロビン法およびHepG2細胞を用いた方法で検討する。
当初の計画では遺伝子解析にも着手することにしていたが、現時点では種々の食品成分に対する抗酸化性をミオグロビン法および動物細胞を用いる方法で評価し、それを比較検討する方が、本研究の目的である「食品成分が示す抗酸化性を総合的に評価し、その理解を深める。」を達成するのに有益であると考えている。平成25年度はこの方針に従って研究を進めたい。

次年度の研究費の使用計画

研究費の使用計画については当初の計画と変更はほとんどない。物品費は培地用試薬、プラスチック類などの消耗品を購入する。また、研究成果の一部を発表するために学会出張等で使用する予定でいる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 動物細胞を用いた抗酸化性評価法2012

    • 著者名/発表者名
      渡辺良子、佐々木唯、松村紗季、寺嶋正明
    • 学会等名
      日本食品工学会第13回(2012年度) 年次大会
    • 発表場所
      北海道大学 農学部
    • 年月日
      20120809-20120810

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公開日: 2014-07-24  

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