研究課題/領域番号 |
23560954
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
木原 尚 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60243911)
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キーワード | 軽量アブレータ / 熱防御システム / 熱流束 / 高温気体 / 高エンタルピ気流 / 大気圏突入 |
研究概要 |
初年度については昨年度の実績に記載したとおりである.2年目である今年度はまだ,発表はしていないが,新しいことにチャレンジしたりもしたが,初年度の結果をもとに数値計算において大きな進歩があり,現在作成している計量アブレータを地上実験で用いた場合のより詳細な解析や,それをもとに実機に搭載した場合のアブレータ内部応答の様子,既存のアブレータをも敷いた場合との違いやアドバンテージ,ディスアドバンテージを明らかにすることができた. 今年度は国内発表は3回と少ないものの,国際発表2回,英文論文(proceedings含まず)1本と当初の想定以上の成果が上がったといえる. 予算施行においてはほぼ当初の予定通りであった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね予定通りに進んでいる.数値計算については予定より進んでいるといえる.大まかなところではすでに目標に達しているといっても差し支えないところまで来ている.模型のX-線撮影や,熱伝導率測定も行ってみたが,十分なデータが得られていない. また,現存の装置の性能上難しいと判明した部分も出てきた.X-線撮影ではもともとの密度が小さいために,X-線の透過量が多すぎ,密度との撮影濃度との相関を得るほど十分なダイナミックレンジは取れなかった.特別に作ることは本研究の範疇を超えており,また困難でもあるので,本研究においてはX-線による密度計測は断念することとした. また,熱伝導率についても試したが,現在最も制度の良いといわれるレーザーフラッシュ法では額に熱伝導率が悪すぎたために(アブレータとしては高性能)計測不可能であった.他の方法でが実験的に求めるとしても,常温付近の計測データから実際の再突入時の表面温度である3千度付近までを外装する必要がある.個体の熱伝導率を3千度まで求めることはかなり難しいと考えられるので,当初の計画通りに測定可能な点からより高温領域を外挿する. このような観点から実験的な部分は若干遅れている. 総合的には概ね予定通りと言ってよい.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は最終年度となるので,現在までの成果をもち,国際会議で発表するとともに,やり残した部分を拾い,成果書にまとめ上げる.具体的にはとアブレータ内部の圧力測定並びに分光計測である.新規に購入するものはあまりないく,すでにデータ取得が可能であるかの基礎実験を行っているのものもあるので後はデータを集めるだけの状況に近い.よって特に予定の変更はなく今まで通り進めてゆく. また,まとめの年でもあるので報告書までに掲載決定が舞いあうかわからないが,英文論文を2,3編は投稿する予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の使用計画は最終年度であるのであまり物品購入には使わず,旅費を中心に使用する予定である.中国,台湾ので開催される会議にはすでに申し込んでおりアクセプトされている.国内においてもまだ申し込みが始まっていないものも含め2回は旅費として使用する予定である.そうすると後は研究をまとめるに当たり不足している部分の消耗品と報告書作成のための製本代程度しか残らない.
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