研究課題
本研究は、階層モジュラー構造の概念に展開型膜面モジュールを導入し、それを宇宙構造物システムの構築に適用してその有用性を明らかにしようとする。研究は (1) 展開型膜面モジュールの検討、(2) 自動組立の動作計画の検討、(3) 軌道上構築のシミュレーションの3項目からなる。(1) については前年度に導入した組紐被覆 Bi-Convexによる膜面モデルの展開特性と展開後の構造特性について、実験およびシミュレーショの両面から詳細な検討を行い、両者のよい一致を得た。この構造方式は本研究に使用する一モジュールとして機能できるだけでなく、それを単独の展開膜面構造として使用することも有用で、その導入により、将来の太陽電池アレイや膜面アレイアンテナなどの展開アレイ構造物の開発が具体的に可能になることが期待される。(2) については、将来のモデル実験に資するハードウェアについて検討した。そのためのモジュール構造にはリリース・回転・ラッチの機能をはたす分布型のアクチュエータが必要である。本研究ではモジュール間の結合部を独立させて、そこにそれらの機能を集約させる概念を新たに提示し、その基本的な機能を実証する結合部モデルの設計製作を行って、十分に実用可能な結果を得た。自動組み立てのアルゴリズムについては、結合部をあらたに導入して、初期にモジュールを集積した形状から直列状の形状(開ループ形状)への自動組立についての拡張を行った。(3) については、(1) で検討したモデルの中心構体の角速度データの取得により、中心構体の自由回転を含むモジュールの展開解析シミュレーションを実施できた。また (2) で導入した結合部を含んだ自動構築アルゴリズムにより、展開を含まないモジュールの開ループ形状構成についてシミュレーションを実施した。
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Acta Astronautica
巻: 93 ページ: 45-54
J. Mechanics Engineering and Automation
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