本研究は、太陽電池を利用する小型ソーラーUAVの開発を目的とし、本年度は機体設計を改良し、各種地上性能確認試験を行った。ソーラー発電の連続飛行時間が充電バッテリーだけより大幅に上回ることに成功した。 ①多目的最適化設計:構造強度試験より荷重、強度を評価する手法を作成した。各種条件におけるソーラー出力電力を推定する方法を考案した。推進系の推進性能と電力の消費に関して実験計測よりデーターを取得した。また、機体構成の各部について重量を見積もる経験式を構築できた。これらのデータベースと推算モデルを多目的最適化設計システムに取り入れ、3号機の試設計を行ってきた。 ②機体の設計製作:構造強度に関して地上静荷重試験を実施し、全機重量の3倍以上の荷重強度を確認できた。パワーマネジメントシステムを開発して、より高い効率でソーラーエネルギーを利用することができた。前年度の成果に基づいて部品製作をさらに見直し、機体の軽量化を図った。また、推進系を再検討して、ソーラーモジュールの出力に合わせたシステムを組み立てた。最後に、自律飛行装置を導入し、制御システムの全体を再構築することに成功した。 ③実証フライト:地上試験と飛行テストより、異なる各種日射条件でソーラー発電の性能を計測し、一定な条件の以上で飛行に必要な電力を確保できることが分かった。各種計測装置を搭載し、飛行経路や飛行速度や電力使用などを確認できた。自律飛行テストを行い、指定半径の旋回飛行、指定位置(waypoint)通過の航行、回収などの機能を確認できた。 ④成果発表:国際学会参加発表3回
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