研究概要 |
主な研究課題は、楕円制限3体問題の小ハロー軌道生成と維持およびTschauner-Hempel方程式のパルス制御である。前者に関しては、楕円軌道の動径で正規化した運動方程式がラグランジュ点を平衡点として持つことを利用し、円制限3体問題と同様に、小ハロー軌道の生成と維持ができることを示した。燃費は、円制限3体問題程度になることを明らかにした。この結果は、第5回SFFMTで発表した。さらに同じ手法により、宇宙機を円制限3体問題のハロー軌道に維持することができること、そのときの燃費が円制限3体問題と同程度になることを示した。後者に関しては、TH方程式の周期解を用いるフォーメーション問題と外部システムにより生成した周期解を用いるアクティブフォーメーション問題を考察した。通常のフォーメーション形成問題では、1周期4回のパルスで連続時間制御と同等の軌道移行ができること、燃費を抑えるには、離散最適レギュレータの入力に関する重みを大きくすればよいことが確認できた。離散周期システムの出力レギュレーションでは、離散化したシステムが周期系となり、そのため離散周期システムの出力レギュレーション理論を構築した。その結果は、Systems & Control Lettersに投稿中である。またこの理論を用いて生成した目標軌道への制御が可能であること、連続時間システムで生成した軌道の維持は1周期8回のパルスで良好な制御ができることを示した。この結果は、2013年AAS/AIAA Astrodynamics Specialist Conferenceで発表した。 そのほか、関連研究として1入力による軌道面内の運動制御、パルスによるアクティブフォーメーション、インパルス時刻の最適配置の研究を行い、成果をJournal of Guidance, Control, and Dynamics誌, SICE Annual Conferenceおよび第2回DyCoSSに発表した。
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