• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

舶用重質燃料油のジメチルエーテルによる改質

研究課題

研究課題/領域番号 23560969
研究機関神戸大学

研究代表者

段 智久  神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 教授 (80314516)

キーワードエンジン / 舶用機関 / 船舶燃料 / ジメチルエーテル / 排ガス / 燃焼特性改善 / 環境保全 / 動粘度
研究概要

本研究課題は,船舶主機関のディーゼルエンジンで使用される重質燃料(C重油)に着目し,ジメチルエーテル(DME)を混合することで噴霧や燃焼の特性を改善することを目的にしている.最終年度は液化DME/舶用燃料の混合燃料をディーゼルエンジンに適用する研究を行った.その結果,以下の成果を得た.
1.硫黄化合物が混合燃料燃焼に与える影響
これまでの研究では,液化DMEを化石燃料に混合することで燃焼改善ができることを示してきが,舶用燃料で問題となる燃料中硫黄成分の影響が明確ではなかった.そこで,燃料に模擬硫黄成分(ジターシャリーブチルジスルフィドDBDS)を混合することで硫黄含有量を調製し,ディーゼル燃焼に与える硫黄分の影響を検討した.その結果,燃料中の硫黄分が増加すると燃料噴射期間と燃料消費率は増加し,その一方で着火遅れ期間は減少するという結果を得た.また,燃料中の硫黄分が増加しても,DMEを混合することでNOxとPMの排出量が減少するという結果を得た.
2.エンジンにおける燃焼試験
本研究室で所有する中型の予燃焼室式ディーゼルエンジンにおいて,DME/C重油混合燃料の燃焼試験を行った.DMEのC重油に対する混合率を重量割合で0,10,30%と変化させ,混合率が燃焼状況に与える影響を解析した.その結果,C重油にDMEを混合することで燃焼特性および排ガス特性が大きく変わることが確認された.DMEを混合することで環境有害物質の低減効果が見られ,CO,HC,PMに関しては大幅に低減できた.さらに地球温暖化の原因となるCO2も低減でき,熱効率が向上することも明らかになった.これらより,DMEはエンジン性能を保ちながら排ガス中の有害成分の低減に貢献できると言える.ただし,NOxは増加する傾向にあったため,この低減の可能性を検討することが課題である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Investigation on the Effects of Dimethyl Ether Blending to Bunker Oil for Marine Diesel Engine2013

    • 著者名/発表者名
      Younghyun Ryu ; Tomohisa Dan
    • 雑誌名

      Technical Paper Series of Society of Automotive Engineers (SAE)

      巻: No.2013-01-2659 ページ: 1-10

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 燃料中硫黄成分がDME混合燃料のディーゼル燃焼特性に与える影響2013

    • 著者名/発表者名
      段 智久 ; 大上 雅貴 ; 西村 裕大 ; 浅野 一朗
    • 雑誌名

      日本マリンエンジニアリング学会誌

      巻: Vol.48 No.5 ページ: 676-683

    • 査読あり
  • [学会発表] 燃料中硫黄成分がDME混合燃料のディーゼル燃焼特性に与える影響2013

    • 著者名/発表者名
      西村 裕大 ; 段 智久 ; 浅野 一朗
    • 学会等名
      第83回マリンエンジニアリング学術講演会
    • 発表場所
      静岡
    • 年月日
      20130902-20130904
  • [学会発表] 液化ジメチルエーテルを利用したディーゼル燃焼―動粘度測定とエンジン性能2013

    • 著者名/発表者名
      段 智久
    • 学会等名
      第247回ディーゼル機関研究委員会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      20130711-20130711
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi