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2011 年度 実施状況報告書

氷海船舶の氷片密集水路航行時性能評価手法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 23560974
研究機関工学院大学

研究代表者

金野 祥久  工学院大学, 工学部, 准教授 (60322070)

研究分担者 松沢 孝俊  独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (00443242)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード氷海船舶 / 小氷片密集水路 / 抵抗 / 密接度 / 模擬氷
研究概要

本研究は、船舶が小氷片密集水路を航行するときの抵抗の評価手法を確立することを目的とする。これまでの主に模型実験に基づく解析手法には、水路状態の評価手法が確立していないために定量的把握が不十分であり、このため実験の再現性も乏しいこと、およびその水路状態が船体抵抗に対する影響が未解明であるという課題があった。研究代表者が開発してきた数値解析技術、及び研究分担者の持つ画像解析技術および氷厚計測技術とを応用し、氷片の形状分布および密接度を定量的に把握する方法を開発することと、数値解析及び模型実験により水路内氷片分布の船体抵抗に対する影響を評価することにより上記課題を克服し、最終的には水路内抵抗を評価するプロトコルを確立することを目標とする。平成23年度は、任意密接度の水路モデル作成技術の開発、模擬氷による模型実験等に取り組んだ。水路モデル作成技術の開発では、はじめに密接度が高い水路を作成し、その後氷片を間引いてから物理ベースモデリングを適用して氷片運動を落ち着かせることにより、適当な密接度の水路モデルを作成できるようになった。これと同時に撃力ベース解析による接触力の解析にも取り組み、接触力の取り出しは容易になったが、氷荷重を過小評価する問題があることも分かった。模擬氷による模型実験においては、ポリプロピレン製の模擬氷を導入し、これを用いて海上技術安全研究所氷海試験水槽において模型実験を行った。その結果、模擬氷でも定性的には小氷片密集水路を再現できることが分かった。また、水路状態の画像データや船体抵抗を計測・取得した。画像データの解析及び船体抵抗の定量的な検討は23年度中には終了せず、24年度の課題として残っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請時の研究計画における「任意密接度のチャネルモデル作成技術の開発」は当初計画以上に進展しており、平成24年度以降に行う予定であった「解析条件のパラメタサーベイ」にも取り組みはじめている。また「船舶の性能評価の文献調査」も順調に進展している。「模擬氷によるチャネル密接度計測技術の開発」においてはデータの解析がまだ不十分である。これらの状況から、総合的にはおおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

数値解析においては、当初予定どおり「解析条件のパラメタサーベイ」に取り組む。実験においては「模型氷を用いた3次元密接度の計測実験」に取り組む予定だが、平成23年度の実験において、模型氷(水槽で製氷した氷。CD Ice)ではなく模擬氷(ポリプロピレン製)を用いた実験でも3次元密接度の計測実験に十分なデータを得られそうだとの感触を得ているため、模型氷を模擬氷に変更して実施することも検討する。

次年度の研究費の使用計画

平成23年度には予算の都合から当初導入予定だった画像取得用高解像度カメラを導入せず、そのぶんポリプロピレン製模擬氷を多数導入できた。このため24年度は模擬氷を購入せず、画像取得用高解像度カメラを導入することを検討する。それ以外はおおむね申請時の計画通りに使用する予定である。

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公開日: 2013-07-10  

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