平成25年度(最終年度)は、任意の曲面形状をプレス主体で成形する非可展プレスの出力方案について検討を実施した。まず、非可展プレス成形の出力方案手法を提案した。これは、板の目的形状が与えられると、その展開図上にプレス位置とするプレス線を指定し、次に、固有歪法を応用し目的形状を得るために指定したプレス線にどのような変形要素を付与すればよいかを計算し、最後に、プレスデータベースから必要な変形要素を与えるプレス型とプレス荷重を選択し非可展プレス方案とするものである。特に25年度では、固有歪法を用いて必要なプレス変形要素を計算するシステムを開発している。また、提案した非可展プレス方案を検証するため、平成24年度に開発した造船用プレスシミュレータを用いて検証実験を行い、提案手法の妥当性を検証した。その結果、プレス主体による成形で非可展面が得られることを確認し、また、提案した手法によって、非可展プレスの施工指示を定量的に与えることが確認できた。 以上の通り、任意の曲面をプレス主体で成形するという本研究の目的に対して、一連の手法を開発し、造船プレスに対する新しい科学的知見を得ることができた。研究の当初の目的を十分に達成したものと評価している。研究期間全体を通しての本研究の主要な成果物をまとめると、以下の通りである。 ・造船用のプレスシミュレータを開発した。(平成24年度) ・非可展プレスに適したプレスヘッドを考案した。(平成24年度) ・非可展プレス出力方案を提案し、その妥当性を検証した。(平成25年度)
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