舶用ディーゼルエンジンの排熱回収に使用する熱交換器(排ガスエコノマイザ)のフィンチューブについて、熱源である排ガスに含まれる固形物(スート)がフィンチューブ表面に付着した際の影響を評価するために、①スート付着に関する解析、②実際のスートに関する暴露実験、③模擬スートを使った小規模熱交換試験、を行った。 ①ではスート付着を簡便に模擬するための解析方法の検討と③の実験装置に関する予備解析を行った。 ②ではサンプルを重油を燃料とするディーゼルの排気管内にサンプルを長期間暴露したところ、サンプル表面へスートが付着する速度が平均0.255g/dayであること、そのスートの熱伝導率が0.46~0.55W/mK程度であることを確認した。 それを踏まえて、③では高温空気と水を熱媒体とする小規模のフィンチューブ熱交換実験装置を作成し、そのフィンチューブのフィン表面にスートと同程度に熱伝導率が低い断熱材(模擬スート)のシートを敷設した。そして高温空気側の圧力損失における模擬スートの流体力学的影響と、高温空気と水との熱交換における模擬スートの熱力学的影響を実験的に評価した。
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