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2012 年度 実施状況報告書

ハイドレート技術を用いた農工融合による低炭素社会の実現に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23560984
研究機関東京大学

研究代表者

松尾 誠治  東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20302755)

研究分担者 藤田 豊久  東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70124617)
岡屋 克則  東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80134493)
山本 佳孝  独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (80358283)
竹谷 敏  独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (40357421)
中野 浩平  岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (20303513)
岩崎 泰永  独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, その他部局等, 研究員 (40500947)
キーワードCO2ハイドレート / 農工融合 / 施設園芸
研究概要

本研究は、工業圏から発生するCO2をハイドレート技術により分離回収し、その分離したハイドレートから発生するCO2並びに冷熱を農業圏のハウスや植物工場で有効利用する農工融合型施設園芸システムを提案するものである。平成24年度は、ハウス栽培でのハイドレート利用の有効性を検証するために、作物育成室内に設置したアクリル板製のチャンバー(8-x80x100cm)にCO2ハイドレート分解装置から供給される冷熱とCO2を供給する装置を設けトマト栽培を実施した。これにより、これまで購入したボンベより供給していたCO2とハイドレート冷熱分の栽培コスト削減が定量的に評価された。
一方、CO2ハイドレートの新たな利用方法として、反応容器内で青果物内の水分をCO2ハイドレート化することで作物品質を管理する基礎試験を試みた。
それにより、これまでにイチゴ、トマト、ブドウなどにおいても内部にハイドレートが生成されることや、その解離圧を作物強度の改善に利用できることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

基本的には、概ね達成できたと考えている。ハウス栽培でのハイドレート利用の有効性については、ミニチャンバーにおける栽培でCO2と冷熱の一部のコスト削減が明らかになった。ただし、CO2ハイドレートの分解装置の最大圧力など特性解析に若干の課題が残っているためこの定量解析を実施する。
一方、青果物内のCO2ハイドレート化による作物品質管理に関しては、果物内にハイドレートが存在させることが可能であることが分かった。今後は、ハイドレート化による鮮度維持の有効性や、CO2ハイドレートを利用した食品流通などに優位性についても検討を実施し、これらの有効性を検討する予定である。

今後の研究の推進方策

平成24年度までに、ハイドレート利用による農工融合型システムの実現のための、特に農業圏の課題について実施した。ハウス栽培でのハイドレート利用の有効性を検証するために、作物育成室内に設置したアクリル板製のチャンバー(8-x80x100cm)にCO2ハイドレート分解装置から供給される冷熱とCO2を供給する装置を設けトマト栽培を小規模ながら実現でき、従来ボンベより供給していたCO2とハイドレート冷熱分の栽培コストの削減を評価できた。今後は、CO2ハイドレートの分解装置の最大圧力など特性解析に若干の課題が残っているためこの定量解析を実施する。一方、CO2ハイドレートの新たな利用方法として、青果物内のCO2ハイドレート化による作物品質管理への応用を試みた。今後は、イチゴ、トマトなどの細胞内部にハイドレートが生成されることやそれにより原形質流動が変化し、作物の鮮度維持にどのような影響をもたらすかを調査する。
工業圏側の課題としては引き続き、ハイドレート生成による安価なCO2分離・輸送方式の検討を実施する。
そのため、当初の計画に比べこれらの解明に予算を費やすこととする。なお、3年目の地域における農工融合の成立性の試算には変更
はないものと考える。

次年度の研究費の使用計画

最終年度である本年は、工業圏の課題としては、「排ガス(混合ガス)からの低コストのハイドレート生成によるCO2分離の確立」が挙げられる。近年は添加剤を投入することでより常圧に近い状態でCO2をハイドレート状態で分離生成することが可能となっているため、これらを利用し輸送方式並びに夜間ハウス中に発生する排ガスのCO2分離等を含めたシステムの提案を実施する。
農業圏施設園芸側の課題としては、小規模チャンバーからの作物のCO2吸収速度とCO2ハイドレート分解速度に基づき、実機ハウスで使用可能となるより低圧なCO2と冷熱の独立供給が可能なハイドレート分解装置の提案を実現する。さらに、ハイドレート製造の更なる応用分野となる農作物のCO2ハイドレート化による長期保存についても同容器で試験を実施する(研究費使用品目:農作物保存共有型CO2ハイドレート生成容器製作)。
総合的な課題としては、これらの提案システムが実際の園芸ハウスや工場規模においての成立性について、豊橋地域など実現性の高い地区をモデルにその優位性を検証する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 その他

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 産業財産権 (1件)

  • [学会発表] ハイドレートCO2及び冷熱を用いた農工融合型施設園芸システムに関する研究

    • 著者名/発表者名
      松尾誠治
    • 学会等名
      21回日本エネルギー学会大会
    • 発表場所
      東京・工学院大学
  • [学会発表] 渥美沖採掘試験を含むメタンハイドレート開発の現状とハイドレート技術の産業利用の可能性

    • 著者名/発表者名
      松尾誠治
    • 学会等名
      豊橋市イノベーション創出等支援事業 最新技術セミナー
    • 発表場所
      豊橋市・豊橋サイエンスコア 視聴覚室
    • 招待講演
  • [産業財産権] 植物栽培システム2012

    • 発明者名
      松尾誠治、梅田大樹
    • 権利者名
      松尾誠治、梅田大樹
    • 産業財産権種類
      特許特開2007-319022号公報
    • 公開番号
      特開2007-319022号公報
    • 出願年月日
      2012-09-14

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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