研究課題
放射性廃棄物の地層処分やCO2地中貯留では深度300m~700m程度の大深度岩盤が利用対象である。このような計画を安全に遂行するためには10MPaを超えるような高封圧環境下での水あるいはCO2といった流体の流動現象ならびに対象岩盤の空隙構造や亀裂進展といった破壊現象の高精度評価法の確立が必要不可欠である。本研究では、μフォーカスX線CTと産業用X線CT法を組み合わせたハイブリッドX線CT法により,高圧特殊環境下における流動・破壊現象を,岩盤を構成する粒子レベルのミクロスケールから岩盤マスとしてのマクロスケールまでの高精度評価法を確立した。本研究ではまず,空隙率のみならず,空隙間の連結および空隙内流動に関与する空隙構造を明らかにするためのトレーサー試験法を開発した。これにより単独のX線CT撮影では評価が困難な空隙分布ら微視き裂の分布が,3次元的に統計処理を行うことが可能になった。次に本研究では,産業用X線CTスキャナーにより,超臨界状態にあるCO2の巨視的スケールの流動現象を可視化すると共に,具体的に貯留率を評価し,岩石内空隙構造(堆積層の分布)あるいは巨視的な空隙分布が貯留率に与える影響を評価した。同時に,μフォーカスX線CTスキャナーにより,空隙スケールでのCO2の存在形態を明らかにすると共に,新たに開発したヒストグラム差分法によりミクロスケールでの貯留率の評価に成功した。また,空隙や試料内部の微視き裂が2相流流動現象に与える影響についても考察し,水飽和岩石試料への圧入については,水の粘性が大きく影響していることを明らかにした。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)
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