研究課題/領域番号 |
23560997
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
今井 剛 筑波大学, 数理物質系, 教授 (80354637)
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研究分担者 |
假家 強 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (30451678)
南 龍太郎 筑波大学, 数理物質系, 講師 (70370476)
中嶋 洋輔 筑波大学, 数理物質系, 教授 (00188939)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | ELM / ECH / ダイバータ / 境界プラズマ / GAMMA 10 / スクレープオフ層 / ミラー |
研究概要 |
本研究の目的は、トカマク等の核融合炉で大きな課題となっているELM時のダイバータ板への高熱負荷の緩和、熱流制御を目指し、GAMMA 10ミラー装置において、ECHのパワー変調を行うことにより、ELM状の端損失を発生させ、その間欠的な熱流を使用してELM時の熱流の能動制御の基礎データを得ることである。初年度の最大の課題はELM状の熱流発生を可能にするECH装置のパルス変調を可能にする装置改造である。これについては、制御装置のパルス回路に改造を加えることにより、ジャイロトロンに供給する電流制御をするRT管の多パルス制御を可能にすることにより成功した。実験の基礎となるベースプラズマの測定、ECHアンテナの改造製作も実施した。また、プラズマ流の電子とイオンのエネルギー分析を行う計測器の準備も進めた。典型的なプラズマでの端損失熱流の測定も行い、ベースとなるICRF加熱プラズマでの熱流制御が0.4~0.8MW/m2となることがわかり、さらに、ECHによる加熱で、約10倍の熱流が得られることがわかった。今後は、これらの結果から、実際にELM状の熱流を、端部に発生させて、そのプラズマの特性を詳細に研究して行き、ダイバータへのプラズマ流の制御をめざす。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の最大の課題であるECH装置の多パルス変調改造が順調に進み、パルス幅やパルス数、パルス間隔など自由に設定が可能となった。ECH用アンテナの改造も進み、製作及び低電力試験を終えて、組み込み可能な状態となっている。計測装置についてもも、予定通り、電子流とイオン流の区別が可能となるとともに、電子のエネルギー分析も可能となっている。ベースプラズマの測定や端損失の測定も予定通り得られた。
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今後の研究の推進方策 |
予定していたハードの準備が順調に進んでいることから、24年度は実際にパルス変調したECHにより、ELM状の熱負荷を発生させて、そのプラズマ流の特性を測定するとともに、さらに、ガス、不純物、ECHパワー、電位等の能動的な摂動により、その特性がどう変化するか詳細に調べる。特に熱流分布や、電子、イオンのエネルギー分析も加えて、ELM時の熱流制御の基礎データを整備して行く。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度未使用の実験に使用する一部消耗品の予算44,321円は、次年度の計測装置消耗品予算と合わせて実験用に使用する。それに加えて、ECHアンテナ改造を実施して、より効率的にECHパワーを端損失熱流に活用させるとともに、ECH装置を円滑に稼働させる為の伝送系等の消耗品等の購入を行う。また、次年度までに得られた成果について、学会・国際会議等に発表するとともに、専門家と議論して、更なる研究の展開を図る。
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