研究課題/領域番号 |
23560997
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
今井 剛 筑波大学, 数理物質系, 教授 (80354637)
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研究分担者 |
假家 強 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (30451678)
南 龍太郎 筑波大学, 数理物質系, 講師 (70370476)
中嶋 洋輔 筑波大学, 数理物質系, 教授 (00188939)
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キーワード | ELM / ECH / ダイバータ / 境界プラズマ / GAMMA 10/PDX / ミラー / スックレープオフ層 / 高熱流束 |
研究概要 |
本研究の目的は、トカマク等の核融合炉で大きな課題となっているELM時のダイバータ板への高熱負荷の緩和、熱流制御を目指し、GAMMA 10/PDXミラー装置において、ECHパワー変調を行うことにより、ELM状の端損失を発生させ、その間欠的な熱流を使用してELM時の熱流の能動制御の基礎データを得ることである。前年度は、ECH装置の改造により、間欠的な熱流束を発生させることに成功した。また、間欠的なECHパワー印加により、ベースのプラズマに比べて10倍近い大幅な熱流束密度を得た。 本年度は、さらに、入射条件を変えて、より高い熱流束密度10MW/m2を得るとともに、熱流束の径方向分布の測定、熱流の主要な粒子である電子の平均エネルギーや、エネルギー分布を求め、ELM模擬実験を行うための基礎データを得ることができた。また、1パルスあたりのエネルギー密度のECHパワー依存性を測定し、ほぼ、入射ECHパワーに比例して、上昇することを明らかにし、0.05MJ/m2を400kWx5msのECHパルスで得ることができた。この比例束から、ECHパワーの増力により、ITERで予想される0.5MJ-1MJ/m2レベルのELM模擬も可能性があることを明らかにできた。これらの成果は、第9回開放端磁場閉じ込め装置国際会議(OS2012)と第3回核融合のためのプラズマ材料相互作用装置国際ワークショップの合同国再会議やTOKI国際会議に発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度に整備したハードを用いて、熱流束の拡大や、パルスあたりのエネルギー密度の比例則を明らかにした。また、電子のエネルギー分布や熱流束密度の径方向分布も明らかにし、それらのパワー依存性等の条件による変化を明らかにでき、予定に沿った結果が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに、間欠熱流の特性についての基礎データが得られたことから、熱流束密度の緩和に向けた能動的な制御を試みる。電位制御、ガス入射などにより、熱流束密度の強度や分布の違い測定する。また、ターゲット材料の違いによる相互作用の変化についても初期的な実験を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度未使用のアンテナ改造費は次年度分と併せてアンテナの改造に使用する。また、実験の消耗品を購入し、効率的に実験を実施する。さらに、学会や国際会議に成果の発表と議論を行い、成果をまとていく。
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