研究課題
本研究の目的は、トカマク等の核融合炉で大きな課題となっているELM時のダイバータ板への高熱負荷の緩和、熱流制御を目指し、GAMMA 10/PDXミラー装置において、ECHパワー変調を行うことにより、ELM状の端損失を発生させ、その間欠的な熱流を使用してELM時の熱流の能動制御の基礎データを得ることである。前年度までに、ECH装置の改造により、目標の熱流束密度10MW/m2レベルの間欠的な熱流束を発生させることに成功するとともに、入射条件を変えて熱流束の径方向分布などのELM模擬実験を行うための基礎データを得ることができた。最終年度となる本年度は、GAMMA 10/PDXの端部を用いて、ダイバータ候補材料であるタングステンをターゲットに、ECH変調で実際に生成した間欠高熱流を照射し、初期的データを取得した。光学測定による軸方向のHアルファ強度の分布や流入粒子の測定を行い時間変化や複数パルスによる変化を測定した。その結果、パルスを重ねるごとにアルファ強度が微増していくことや間欠パルスの休止時間によって振る舞いが異なることがわかってきた。また、最近注目され始めた、ダイバータ材料に長期的に影響を与えるグラッシーELMなどの中程度の間欠熱流の10000回~100000回規模の高積算回数効果についての指標となる熱流束指数(heat flux factor)についての検討も行い、ECH変調で0.7MJ/m2s1/2の値を達成し、材料表面に大きな影響を与えるレベルであることを明らかにした。これらの成果は、核融合関係の最有力国際誌Nullear Fusionや同じく国内雑誌Plasma Fusion Research等に掲載するとともに、TOKI国際会議、プラズマ核融合学会等で発表を行った。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)
Trans. of Fusion Science and Technology
巻: 63-1T ページ: 8, 15
Plasma Fusion Research
巻: 8 ページ: 2402081-1, 4
10.1585/pfr.8.2402081
Nuclear Fusion
巻: 53 ページ: 063003-1, 7
10.1088/0029-5515/53/6/063003