研究課題
本研究では,トカマクプラズマにおけるリップル磁場,誤差磁場,ELM制御コイル磁場などによる3次元磁場摂動がある場合の新古典トロイダル粘性への影響について,3次元磁場配位におけるドリフト運動論方程式解析コードDCOM/GNETを用いて研究を行う.摂動磁場強度や衝突頻度依存性などについて,これまでの解析的理論と比較を行うと同時に,これまで理論解析が不十分な径電場の影響などを考慮に入れ解析を行いその影響を明らかにする.また,さらに摂動磁場が大きくなり,磁気島が発生した場合やストキャスティック磁場となった場合における新古典トロイダル粘性についても評価を行うことを目的としている.平成24年度は,今回の研究において基盤コードであるGNETコードの改良を進めた.具体的には,コードのより進んだ並列化や新古典粘性の評価に重要な運動量を保存する衝突項の開発を行った.特に,運動量保存する衝突項の開発においては,実際にGNETコードに組み入れ,運動量が保存することを確認することが出来た.これにより,初めて有限軌道幅の効果を含み,運動量も保存するコードが完成した.また,このためマックスプランク・プラズマ物理研究所(ドイツ)を訪問し,共同研究により,このGNETコードを発展させ,新古典粘性の正確な計算のできる新たなコードの開発について議論を行った.
3: やや遅れている
当初の予定では,平成23年度には,低n摂動磁場(ELM制御コイルなど)や中n摂動磁場(リップル磁場)が存在する場合の新古典トロイダル粘性の摂動磁場強度依存生や衝突頻度依存生などを評価し,Shaing等の解析理論との定量的な比較を行う予定であった.しかしながら,定量的な比較を進めている段階である.一方,マックスプランク・プラズマ物理研究所(ドイツ)との共同研究で,GNETコードに運動量保存を組み込むことに成功し,新古典粘性の評価を正確に行う準備を進めることが出来た.
平成23年度に行う予定の低n摂動磁場(ELM制御コイルなど)や中n摂動磁場(リップル磁場)が存在する場合の新古典トロイダル粘性の摂動磁場強度依存生や衝突頻度依存生などを評価し,Shaing等の解析理論との定量的な比較を早期に行う.また,マックスプランク・プラズマ物理研究所(ドイツ)と共同研究を進めながら新古典粘性を評価するコードの開発を進める.
次年度の研究費の使用は,主に研究成果発表および共同研究のための旅費として使用する予定である.
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (8件)
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