<研究成果>製作したX線スペクトルイメージ測定用試作器の較正実験を行なった。本測定法は、光源の輝度が大きいほどエネルギー分解能と時間分解能が両立して向上する。よって、高輝度光が得られる高エネルギー加速器研究機構・放射光科学研究施設・ビームライン14Cに於いて実験を行なった。二結晶分光器から射出される幅0.3 mmの二次光を単色光として直径1 mmのタングステンピンホールに通し、ダイナミックレンジが16 bitのX線CCDカメラを用いてほぼフルスケールでの画像測定を行なった。その結果、試作器の動作が設計通りであることを確認できた。放射光の輝度と光軸の時間的安定性についても画像で直接確認した。研究期間全体としては真空封入式の回転式光学素子の高速化を行ないつつ本試作器を製作して最高速の時間分解能6 msを確保した。較正実験では、放射光の光軸安定性から19 bit程度蓄積できたので高計数型半導体パルス波高分析器の8割程度までエネルギー分解能の確認ができた。 <意義>本研究による定量的評価の結果、受光用検出器の性能から測定対象の輝度に応じた時間分解能、画像解像度、及びエネルギー分解能が予測できる。また、本研究の測定結果を基礎にしてスペクトル解析法の実用化を開始した。 <重要性>高輝度特性X線のイメージを測定して高温プラズマに於ける不純物輸送の測定に応用できる。また、常温でのX線スペクトル測定が可能なため従来の不純物輸送測定と比較して長時間の安定性を確保できる。
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