研究課題
本研究課題の目的は、大型ヘリカル装置(LHD)において電子サイクロトロン波(EC波)の遮断密度を越える高密度プラズマにおいて、電子バーンシュタイン波(B)-異常波(X)-正常波(O)というモード変換過程を経て放射されるEBW由来の放射電磁波をEC波加熱用に設置された入射アンテナとミリ波伝送系を用いて計測し、逆過程であるEBW加熱のための最適入射条件(ミリ波入射方向、偏波)を探査することである。光線追跡計算コードを改良し、トムソン散乱計測で得られた温度密度分布を参照してデータベースより選択された平衡データから作成される磁気面メッシュデータを補間して、任意位置での3次元的温度密度分布が与えられるようにした。これを用いて基本波(77Gz),第二高調波(154GHz)帯の高いB-X-Oモード変換効率が得られる受信(入射)方向範囲(モード変換窓)を検討し、下部ポートに設置されたECH用アンテナを受信系として用いると広い基本波周波数帯のモード変換窓が存在することを明らかにした。遮断密度を越えた高密度プラズマ放電において、下部ポートアンテナに接続する伝送系に設置されたCollective トムソン散乱計測用ラジオメータで基本波周波数帯放射計測を行い、モード変換窓近傍に受信方向を設定した放電でカットオフ密度を越えている時間帯において放射が計測された。一方、モード変換窓から大きく外れた受信方向設定では、放射は観測されなかった。第二高調波帯のEBW放射計測のために、大型ヘリカル装置(LHD)水平ポートアンテナに接続されている3.5インチコルゲート導波管を使用した電子サイクロトロン加熱(ECH)用大電力ミリ波伝送系の中途に導波路切替え器と真空窓を設置し、準光学ミラー集光系を介してラジオメータを設置した。しかし、カットオフ密度以上の高密度放電数に恵まれず、EBW由来と考えられる放射計測は行えていない。
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AIP Conf. Proc.
巻: 1580 ページ: 490, 493
10.1063/1.4864595