研究概要 |
今年度はトロイダル簡約化非線形MHDコードへの新古典効果の導入を行い、新古典粘性効果を含む非線形拡張型MHDコードの開発を行った。この開発したコードを用いて、トロイダル形状での外部搖動による磁気島成長過程の基礎的な研究を行った。その結果、外部搖動のプラズマ中へのしみ込み過程と内部に形成された磁気島のエネルギー放出過程の時間スケールの違いから、外部搖動の時間変化と強制時期再結合により内部に形成される磁気島の時間発展に差異が生じ、外部搖動消失後も内部磁気島は長時間存続する事が分かった。 また、プラズマ中の突発現象に関しては、電子慣性効果を含む拡張型MHDモデルに於いて変分原理を定式化し、m=1内部キンクティアリングモードの爆発的成長を解析的手法に予測する事に成功した(M.Hirota, P.J.Morrison, Y.Ishii et al., 24th Fusion Energy Conference, M.Hirota,P.J.Morrison,Y.Ishii et al. submitted to NF)。トカマクプラズマで観測される鋸歯状振動現象は、炉心プラズマの高性能化に於いて重要な制御対象の現象である。この鋸歯状現象はm=1内部キンクティアリングモードに起因すると考えられているが、その速い成長率を引き起こす物理的機構はまだ解明されていない。速い成長率を再現するために、電子慣性効果による無衝突磁気再結合がその原因と考えられている。本研究では、無衝突プラズマが散逸を持たない保存系であることに着目し、2流体モデルへの変分原理の拡張と変分原理を用いた非摂動論的な解析手法により、鋸歯状振動における爆発的成長の理論解析に成功した。
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