研究概要 |
マイナーアクチノイド核種の一つであるNp-237は、高速炉の燃焼チェインでPu-239の生成に寄与するとともに、半減期が214万年と長寿命のために、重要な核種の一つである。 Np-237の原子炉中性子との反応のし易さを調べるために、Np237(n,γ)Np-238反応の熱中性子捕獲断面積を放射化法により調べた。熱中性子捕獲断面積を導出するにあたり、Np-237の崩壊により放出されるガンマ線、及びアルファ線を計測するために、高純度Ge検出器、及びアルファ計測システムを整備した。 中性子断面積の導出には、放出されるガンマ線放出率データが必要になるが、解析に用いるPa-233からの312keVガンマ線の放出率データが過去の報告値でばらついていることが分かった。我々が求めた放出率データを用いると、Np-237の熱中性子捕獲断面積は、198±10(b)となり、過去の値より10%程大きくなることが分かった。得られた結果は、原子力学会2013年に発表を行った。
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