今後の研究の推進方策 |
これまでに行ってきた2次元定常計算では、失速領域(迎角:約15°~30°)や90°前後の高迎角範囲、そしてRe=3.6e5以上の高レイノルズ数領域では明らかに大きな誤差が発生していたため、今後は失速領域や高迎角領域では非定常計算を行うことにする。また、遷移を考慮した乱流モデル(transition-SSTなど)を使用する方向で検討を行い、NACA 0018を計算対象として、精度改善のチェックを行う。その後に、キャンバーのついた翼として、NACA 2518, NACA 4518, NACA 6518などの翼型3種類ほどに絞って、空力データの計算を行う。なお、非定常計算では計算時間がかかることが予想されること、および、高レイノルズ数ではメッシュ解像度の制約から十分な精度が得られないため、計算するレイノルズ数を各翼型について、1e4, 2e4, 4e4, 8e4, 1.6e5, 3.6e5, 7e5, 1e6の8つに減らした上で、小型風車用の空力データの精度改善を目標とする。 実験においては、まず小型風洞に収縮ノズルを取り付けて風速を増加させる対策を検討する。模型風車に関しては、低風速で高い性能が期待できるように翼弦長を増加したソリディティの大きな低重心風車模型を設計製作する。この際に、ロータの各部の回転半径に依存して、翼の中心線(ミーンライン)の曲率を変化させたキャンバー付きロータを設計し、キャンバーのないロータとの比較実験を行う計画とする。
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