今後の研究の推進方策 |
SAC-On細胞でのオートファジー抑制が中心体保全に重要かどうかを明らかにするSIRT2ノックダウン細胞がSAC-Onに突入した際に見られる中心体崩壊について、断片化した中心体はオートファゴソームに囲まれているのかどうかについて、中心体(γ-tubulin)と内在LC3-IIの免疫染色を行い、両者の共局在の有無から判断する。SIRT2ノックダウン細胞に対し、さらにATG5, LC3, HDAC6, Hsp70sをノックダウンすることでSAC-Off能は回復する。このときオートファジーレベルは正常レベルにまで戻っていること、中心体構造・数は正常であることが予想され、このことを免染にて確認する。そしてこれらの細胞では、中心体がオートファゴソームと局在を異にし、分解から逃れていることを示す。中心体崩壊はSAC-Offを阻害するか上述の計画で、SIRT2によるオートファジー抑制が、中心体機能確保とSAC-Offに必要なことが明らかになる。それでは、後者二つの関係はどうなのだろう。つまり中心体からSAC-Off移行への何らかのシグナルは発せられているのだろうか。この点を明らかにするためSIRT2ノックダウン以外の方法でSAC-On細胞に中心体崩壊を誘導し、その際のSAC-Offへの移行の有無を検出する。まずはSACと関係なく中心体崩壊を誘導できる方法(Lats2, Rad51B, Aki, Kiz等のノックダウン)を試み、SAC-Onの状態で中心体崩壊を呈するケースがどれであるのか知りその細胞のSAC-Off能を解析する。
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