本研究課題は、哺乳類培養細胞の温度感受性変異株を用いて、染色体安定性維持機構に関連する遺伝子を分離し、その機能を明らかにすることを目的とする。 温度感受性変異株tsTM3に関して、ユビキチン活性化酵素Uba1遺伝子上に変異を同定した。また、制限温度下のtsTM3株では核内のUba1が著しく減少し、ユビキチン化活性が低下するとともに、複製のライセンシング因子の分解に異常が起こることを見出した。これは核内のUba1の減少と反比例しており、ユビキチン活性化酵素Uba1の温度感受性変異が複製反応に影響を与える有力なメカニズムとして発表した。
|