本研究では、(1)捕食者の産卵場所選択に被食者2種間の相互作用が影響すること、(2)同所的に存在する非被食者が捕食回避のために作り出す構造物が、捕食者の生存に影響を及ぼすこと、(3)被食者の捕食回避行動は周囲に生息する他の捕食者個体の影響を受けること、(4)共食いの回避に血縁認識能力を有するメスの産卵選好性が影響することが示された。これらは、捕食者-被食者の一対一の関係に、複数の個体あるいは複数の種が互いに影響を及ぼしあう間接的な相互作用が捕食の強度を弱めることによって、自然界における捕食者と被食者の共存を可能にすることを示すものである。
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