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2013 年度 実績報告書

サビキン有性生殖期の昆虫誘引における宿主植物利用

研究課題

研究課題/領域番号 23570021
研究機関岐阜大学

研究代表者

三宅 崇  岐阜大学, 教育学部, 准教授 (00380569)

キーワード生物間相互作用 / 精子器 / 柄子蜜 / ナシ赤星病 / 蜜腺形成 / 昆虫誘引 / CRABS CLAW
研究概要

今年度は、(1)サビキンゲノム内のCRC遺伝子の有無の確認、(2)ナシ亜科への人為接種とリアルタイムPCRによるCRC遺伝子発現の経時変化の解析、および(3)電子顕微鏡による精子器観察をおこなった。
(1)前年度に、ナシの葉上に形成されたGymnosporangium asiaticumの精子器(植物組織を含む)で蜜腺形成遺伝子であるCRABS CLAW遺伝子(CRC遺伝子)の発現を確認した。この遺伝子は植物が蜜腺形成時に発現させるものであるが、G. asiaticumが進化的に植物から取り込んで保持している可能性が否定できないため、ビャクシンに感染しているG. asiaticumの冬胞子堆からDNAを抽出し、CRC遺伝子の有無をPCRにより調べた。この結果、ナシ、カリン、ボケの葉、G. asiaticumの精子器のDNA(ナシ組織を含む)ではCRC遺伝子断片の増幅が見られたが、冬胞子堆のDNAからは増幅が見られなかった。このことから、サビキンはCRC遺伝子を持っていないことが示唆された。
(2) CRC遺伝子の発現がどの段階で見られるのかを解明するため、ナシ、カリン、ボケへの人為接種をおこない、密分泌に至るまでの5つのステージでリアルタイムPCRによるCRC遺伝子発現を調べた。この結果、全てのステージの精子器でCRC遺伝子の発現が見られた。また、蜜分泌最盛期よりそれ以前の方が、発現量が多い傾向があったと同時に、感染葉の精子器形成部位以外からも若干の発現がみられた。
(3) 透過型電子顕微鏡を用いてナシ花の蜜腺とナシ上の精子器を観察し比較した。この結果、ナシ花の蜜腺で見られるゴルジ体の発達、液胞の発達、蜜の前駆物質の蓄積、などの特徴が、精子器付近の寄主植物の細胞よりむしろ、精子器、すなわちサビキン由来と思われる細胞でみられた。

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公開日: 2015-05-28  

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