サンゴ礁礁池の81リーフとスズメダイ科魚類全種を対象に種数面積関係とリーフ高、競争優位種の縄張り、競争劣位種のリーフ間移動を調べた。その結果、背の高い大リーフでは競争種は立体的に棲み分けていた。ハナナガスズメダイは競争優位種であり、大リーフ平面を占拠し、クロソラスズメダイ(Sn)は競争劣位種であり、背の高い大リーフでは側面を利用したが、中リーフでは共存しなかった。Snは大半のリーフに生息し、分散種であった。浅い礁池では、リーフ高は最大で2m程であり、大面積からの予測より生息種数は少なかった。大リーフ側面や小リーフが競争劣位種の逃避所となり、種数体積関係は総生息種数を予測する有効な指標である。
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