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2013 年度 実績報告書

メダカ属魚類における性淘汰圧の緯度勾配と生殖的隔離に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23570031
研究機関琉球大学

研究代表者

山平 寿智  琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 教授 (20322589)

キーワード性淘汰 / 緯度 / 実効性比 / メダカ
研究概要

種多様性の緯度勾配の説明として,熱帯は種分化が速いとする仮説が注目されている.しかし,なぜ熱帯は種分化が速いかに関するコンセンサスはない.申請者は,低緯度ほど性淘汰が強いために,種分化が促進されるのではないかと考えている.性淘汰の緯度勾配は,高緯度ほど繁殖可能メスの出現が季節的に集中することで生じうる.本研究は,メダカ属魚類をモデルに,産卵可能メスの出現の季節的集中度を,温帯から熱帯にかけて緯度の異なる種間/集団間で比較することを最終的な目標とする.本年度は,青森(青森市桑原)に調査定点を設置して定量採集を行い,集団中の産卵可能メス割合の季節変化パターンを求めた.各採集時点における産卵可能メスの割合は,室内で飼育維持されている成熟オスと個別に番わせることで,実際に産卵が見られるかどうかで判定した.その結果,産卵可能なメスの出現は5月から7月の2ヶ月間に限られていることがわかった.また,室内で飼育維持されている成熟メスと番わせることで,採集したオスの成熟の有無の判定も行ったところ,繁殖可能なオスの出現もこの時期に集中していることが示された.さらに,実効性比の季節変化についての解析から,青森集団では,沖縄集団に比べて,実効性比の偏りが小さいことが明らかとなり,青森集団の方が性淘汰圧が弱いことが示唆された.また,12月には,インドネシア・スラウェシ島に生息する熱帯産のメダカ属数種を対象に,繁殖可能個体の有無を調べた.その結果,温帯では真冬にあたる12月においても,ほとんどの種のメスが繁殖可能であることがわかった.これは,熱帯のメダカは繁殖における季節性が非常に小さく,年中実効性比がオスに偏っていることを示唆している.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Oryzias eversiの系統的位置と繁殖生態について2013

    • 著者名/発表者名
      山平寿智
    • 雑誌名

      月刊アクアライフ

      巻: 2013-5 ページ: 41

  • [雑誌論文] メダカの尻鰭条の関節数の集団間変異について2013

    • 著者名/発表者名
      山平寿智
    • 雑誌名

      月刊アクアライフ

      巻: 2013-5 ページ: 42-43

  • [学会発表] Molecular phylogeny and origin of Sulawesian adrianichthyids

    • 著者名/発表者名
      Mokodongan DF, Yamahira K
    • 学会等名
      9th Indo-Pacific Fish Conference
    • 発表場所
      沖縄コンベンションセンター
  • [学会発表] Latitudinal variation in mating competitiveness and mate chooosiness in the Japanese medaka

    • 著者名/発表者名
      Fujimoto S, Yamahira K
    • 学会等名
      9th Indo-Pacific Fish Conference
    • 発表場所
      沖縄コンベンションセンター
  • [学会発表] The genetic architecture of the latitudinal variation in sexual dimorphism of medaka

    • 著者名/発表者名
      Kawajiri K, Yoshida K, Fujimoto S, Mokodongan DF, Yamahira K, Kitano J
    • 学会等名
      9th Indo-Pacific Fish Conference
    • 発表場所
      沖縄コンベンションセンター
  • [学会発表] メダカ属における性的二型の緯度間変異とその生態的背景

    • 著者名/発表者名
      藤本真悟・山平寿智
    • 学会等名
      日本動物学会第84回大会
    • 発表場所
      岡山大学
  • [学会発表] メダカにおける性淘汰圧の緯度間変異:高緯度での短い繁殖期間が実効性比の偏りを打ち消す

    • 著者名/発表者名
      藤本真悟・武田哲・山平寿智
    • 学会等名
      第61回日本生態学会大会
    • 発表場所
      広島国際会議場

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公開日: 2015-05-28  

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