林床に生育する多年生草本クルマバハグマの個体群は毎年、ほとんど変わらないように見える。実際のところ、どの程度、成長し、何年程度生きるのかを明らかにするために、20年間にわたり追跡調査を行なった。調査期間では、種子から芽生えて成長して花が咲くまでに至った個体はなかった。いくつかの個体の成長状況を組み合わせて成長モデルを構築したところ、種子から開花まで最低でも25年を要すると推定された。また、大きく育って開花するようになった個体は生き残りやすく、平均余命は80年を超すことも推定された。これらのことからクルマバハグマは100年以上の寿命を持つと考えられる。
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