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2013 年度 実績報告書

光合成電子伝達のセンシングによる転写制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23570047
研究機関埼玉大学

研究代表者

日原 由香子  埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (60323375)

キーワードレドックス制御 / 転写制御 / 転写因子 / チオレドキシン標的 / 環境応答
研究概要

平成25年度は二成分制御系のレスポンスレギュレーターであるOmpR familyに属する転写因子に関して、大腸菌スクリーニング系を用いてチオレドキシンとの相互作用の有無を検討した。Synechocystis sp. PCC 6803ゲノム上にコードされる10種のOmpR familyの転写因子に関して相互作用を調べたところRpaA, RpaB, ManRの3種の転写因子のみ特異的にチオレドキシンとの相互作用が検出された。OmpR型転写因子のレシーバードメインには、ヒスチジンキナーゼからリン酸基転移を受けるアスパラギン酸の近くに、バクテリア間で共通して保存されたシステイン残基が1個存在する。レシーバードメイン内に共通してシステイン残基を持つにも関わらず、それがチオレドキシンターゲットとして働く場合と働かない場合があることが明らかとなり、このスクリーニング系の高い特異性を示す結果となった。
RpaAとRpaBに関して、組み換えタンパク質を精製し、チオール基修飾試薬PEGマレイミドを用いてシステイン残基の酸化還元状態を調べたところ、精製チオレドキシンを添加した場合に、両転写因子のシステイン残基が還元されることを見出した。この結果は、両転写因子が、実際にチオレドキシンと相互作用することを強く示唆するものである。RpaAは塩・浸透圧ストレス応答や強光順化に関わること、RpaBは光合成系の強光応答に関わること、ManRはマンガントランスポーター遺伝子の発現制御に関わることが知られているが、いずれの転写因子も本研究によってチオレドキシンとの相互作用によるレドックス制御を受ける可能性が初めて示された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Deletion of the transcriptional regulator cyAbrB2 deregulates primary carbon metabolism in Synechocystis sp. PCC 6803.2013

    • 著者名/発表者名
      Kaniya Y, Kizawa A, Miyagi A, Kawai-Yamada M, Uchimiya H, Kaneko Y, Nishiyama Y, Hihara Y.
    • 雑誌名

      Plant Physiology

      巻: 162 ページ: 1153-1163

    • DOI

      10.1104/pp.113.218784.

    • 査読あり
  • [学会発表] シアノバクテリアSynechocystis sp. PCC 6803におけるチオレドキシンと相互作用する転写因子の探索2014

    • 著者名/発表者名
      門脇太朗、原怜、野亦次郎、久堀徹、日原由香子
    • 学会等名
      第55回日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      富山大学五福キャンパス
    • 年月日
      20140318-20140320
  • [学会発表] シアノバクテリアSynechocystis sp. PCC 6803におけるチオレドキシンと相互作用する転写因子の探索2013

    • 著者名/発表者名
      門脇太朗、原怜、野亦次郎、久堀徹、日原由香子
    • 学会等名
      ラン藻の分子生物学2013
    • 発表場所
      千葉かずさアカデミアホール
    • 年月日
      20131122-20131123
  • [学会発表] シアノバクテリアSynechocystis sp. PCC 6803 におけるチオレドキシンと相互作用する転写因子の探索2013

    • 著者名/発表者名
      門脇 太朗、原 怜、野亦 次郎、久堀 徹、日原 由香子
    • 学会等名
      第4回日本光合成学会
    • 発表場所
      名古屋大学野依記念学術交流館
    • 年月日
      20130531-20130601
  • [学会発表] A screen for transcription factors that interact with thioredoxin in the cyanobacterium Synechocystis sp. PCC 68032013

    • 著者名/発表者名
      Taro Kadowaki, Satoshi Hara, Jiro Nomata, Toru Hisabori, Yukako Hihara
    • 学会等名
      第16回国際光合成会議
    • 発表場所
      米国セントルイス
    • 年月日
      2013-08-12
  • [図書] Plastid Development in Leaves during Growth and Senescence2013

    • 著者名/発表者名
      Hihara Y, Sonoike K
    • 総ページ数
      685 (101-116)
    • 出版者
      Springer

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公開日: 2015-05-28  

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