研究課題
マメ科植物に共生した根粒菌の窒素固定能力を制御する宿主植物遺伝子を解明するために、ミヤコグサFix-変異体Ljsyp71の原因遺伝子LjSYP71の機能解析、新規のFix-変異体F34、F39、F62における原因遺伝子の同定、これまでに作出された変異体のうち、まだ解析を行っていないF18、F48、F51、F53、F54、F121、F176変異体の表現型解析を行った。その結果、以下の点が明らかになった。1.Ljsyp71変異体の地下部に野生型の地上部を接ぎ木すると、Ljsyp71変異体の変異形質が部分的に回復することが再度確かめられた。また、Ljsyp71変異体の根粒及び実生では、野生型と比較して、34種類の遺伝子の発現が両者の器官で共通に変動していることが明らかになった。2.F34変異体の原因遺伝子が存在すると予想されるゲノム領域に新たな遺伝子を予測し、塩基初列を解析したが、変異を見いだすことはできなかった。F39変異体の原因遺伝子と予想される遺伝子をユビキチンプロモーターを用いて導入し、相補実験を行った。しかしながら、現在のところ、F39変異体の変異形質が完全に相補するとの結果は得られていない。さらに、F62変異体における原因遺伝子の同定に向けて、F2劣性ホモ個体246個体を用いて連鎖解析を行ったが、F62変異体における原因遺伝子のゲノム領域をさらに絞り込むには至らなかった。3.これまでに作出された7系統の変異体の表現型解析を行ったところ、F53、F54、F176変異体では、窒素固定活性が野生型に比べ、顕著に低いことが明らかになった。
すべて 2013 その他
すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件)
生物の科学 遺伝
巻: 67 ページ: 441-446