研究課題/領域番号 |
23570057
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
冨永 るみ 宮崎大学, IR推進機構, 助教 (20373334)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 植物 / 発現制御 / バイオテクノロジー / 発生・分化 |
研究概要 |
本研究は、植物の表皮細胞分化制御機構を、転写因子の機能解析を中心に明らかにしようとするものである。シロイヌナズナの根毛、トライコーム形成を制御するCPCファミリー遺伝子が、どのような働きによって形態形成を調節しているのか、その機構解明を目指す。また、栽培植物への応用を目指し、トマトでのCPCファミリー遺伝子の機能及びオーソログの機能解析を行う。実施した研究は以下のとおりである。1、CPCの細胞間移行に必須なアミノ酸残基の決定。シロイヌナズナの根毛形成を誘導するMYB遺伝子CPCには、TRY、ETC1、ETC2、CPL3の4つのホモログがあり、根毛形成においてリダンダントな機能を持つ。しかし、非根毛細胞から根毛細胞へ移行して働くCPCと異なり、他の4つのホモログは移行しないことを申請者はこれまでの実験により明らかにした(未発表)。そこで、CPCとホモロジーの高いETC1のアミノ酸配列を比較し、異なる部分を入れ換えた4種類のコンストラクトを作製した。2、移行に必須なS1配列中の、重要な残基の特定。CPCのN末端の細胞間移行必須配列S1モチーフを欠損させると、CPCは細胞間移行できなくなる(Kurata, Tominaga et al., Development 2005)。さらに詳細に移行に重要な残基を決定するために、S1モチーフの9アミノ酸を移行しないことが分かっているETC1に付加したCPC::S1:ETC1:GFPコンストラクトを作成した。3、トマトのCPCオーソログ遺伝子の機能解析。CPCファミリー遺伝子に配列の似た、トマトのオーソログ遺伝子の候補をピックアップし(TOMTRYと命名)、配列を手掛かりに、マイクロトムのcDNAライブラリーから増幅し、バイナリーベクターであるpCHF3プラスミドの35Sプロモーターの下流にクローニングした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、初年度に計画していたCPCの細胞間移行に必須なアミノ酸残基の決定に関する4種類のコンストラクトの作成が順調に進んでいる。また、移行に必須なS1配列中の重要な残基の特定のためのコンストラクトについても、S1モチーフを付加したCPC::S1:ETC1:GFPコンストラクトを作成した。トマトのCPCオーソログ遺伝子の機能解析についても、単離したTOMTRY遺伝子のシロイヌナズナへの形質転換が順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
1、CPCの細胞間移行に必須なアミノ酸残基の決定については、作製した4種類のCPC-ETC1キメラコンストラクトをシロイヌナズナにアグロバクテリウム法で形質転換し、T3植物でそれぞれ最低5ラインのホモライン確立を目指す。共焦点レーザー顕微鏡によるGFP局在の観察で、それぞれのラインの細胞間移行の有無を判定する。その結果、CPCの細胞間移行に必須なアミノ酸残基を決定できると考える。2、移行に必須なS1配列中の、重要な残基の特定については、S1配列をETC1に付加したコンストラクトをアグロバクテリウム法によりシロイヌナズナに形質転換し、ホモラインの確立を目指す。3、トマトのCPCオーソログ遺伝子の機能解析については、トマトのCPCオーソログをシロイヌナズナに形質転換し、T3植物にてホモラインの確立を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費、直接経費の使用については、核酸精製キットや植物栽培用品を中心とした物品費200,000円、植物生理学会等の年会参加費を含む旅費100,000円、植物栽培管理、核酸抽出等のための謝金800,000円、論文投稿料を含むその他100,000円の計1,200,000円の研究費使用を計画している。
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