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2013 年度 実績報告書

光化学系2複合体の初期構築過程の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23570063
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

菓子野 康浩  兵庫県立大学, 生命理学研究科, 准教授 (20221872)

キーワード光化学系II複合体 / クロロフィル合成 / 膜タンパク質複合体 / シアノバクテリア
研究概要

光合成光化学系II(系II)複合体は、20種類ものタンパク質から構成される膜タンパク質複合体であり、しかも、常に修復あるいは新規構築されている。その構築過程の全容解明を目指し、本研究では構築の第一ステップつまり複合体の誕生に関わるタンパク質・因子の発見・解析を行った。当該タンパク質の特定・機能解明は、環境ストレスにより系IIが減少しやすい作物を改良するための基礎ともなり、作物の生産性向上や大気中二酸化炭素の低減に繋がることが期待される。前年度までに、クロロフィル合成経路の光非依存的な酵素群を遺伝子工学的に破壊し、反応中心複合体の一つの小サブユニットタンパク質にHis-tagを導入したシアノバクテリアSynechocystis 6803の変異体を作出し、暗中・グルコース存在下で長期間培養することによってクロロフィル及び系I・系II複合体をほとんど含まない状態の細胞を得ることに成功した。そして、光照射開始とともに、系II及び系I複合体の構築を誘導することにも成功した。また、暗中培養の細胞の解析により、成熟型複合体とは異なり、反応中心複合体の特定の小サブユニットが暗中で多量に蓄積されていることが明らかとなった。最終年度は、そのような細胞から膜画分を調製し、界面活性剤で可溶化して、Ni-NTAカラムによるアフィニティ精製を行った。その結果、系IIの構築初期の未成熟複合体を精製することができた。その複合体のプロテオミクス解析を行うことにより、反応中心複合体のサブユニットであるシトクロムよりも先にその複合体に結合するコアサブユニットが特定され、系II構成サブユニットタンパク質の結合していく初期の順序が判明した。さらに、反応中心複合体の構築初期にだけ複合体に結合する10種類の機能未知タンパク質も見出され、系II構築の初期過程が明らかとなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Function and association of CyanoP in photosystem II of Synechocystis sp. PCC 68032014

    • 著者名/発表者名
      Mado Aoi, Yasuhiro Kashino, Fumihiko Sato & Kentaro Ifuku
    • 雑誌名

      Res Chem Intermed

      巻: in press ページ: in press

    • 査読あり
  • [学会発表] 光化学系II蛋白質と無機触媒の共役による人工光合成系の開発

    • 著者名/発表者名
      田原一輝、河原弘典、長尾遼、加藤祐樹、井上名津子、菓子野康浩、森本樹、石谷治、野口巧
    • 学会等名
      第4回「フォーラム:人工光合成」
    • 発表場所
      名古屋大学東山キャンパス 坂田・平田ホール(愛知県名古屋市千種区不老町)

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公開日: 2015-05-28  

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