今後の研究の推進方策 |
H24年度は、H23年度同様、多くの面で節約を心がけたこと、大学内の業務が急増したことにより、研究費を予定額使用するに至らなかった。また、小型魚類の飼育装置の購入を予定したが、学内で動物飼育施設を新設する計画もあり、購入を差し控えた。本年度は予算を効率的に使用しながら、下記の研究を行う。 1)CTの遺伝子発現機構の解析:transfacにより予測されたNkx2-1とFoxA2の結合部位を考慮しつつ、メダカCT遺伝子上流域3kbp-2kbpの間の領域を部分的に取り除いて改変し,ホタル・ルシフェラーゼベクターに組み込む。そして,培養したTT細胞(ヒトCT細胞由来培養細胞株)にベクターを導入し,デュアル・ルシフェラーゼアッセイにより,エンハンサー領域を絞り込む。そして、特徴的転写因子がエンハンサー領域に作用するか,デュアル・ルシフェラーゼアッセイにより解析する。ゲルシフトアッセイにより,エンハンサー領域に特徴的転写因子が結合することを確認する。 2)鰓後腺の分化形成機構の解析:クラスタリン遺伝子変異メダカF5のヘテロ同士を掛け合わせて、F6世代の個体(+/+, +/-, -/-)を作出し、形質の変化からクラスタリン遺伝子の機能を考察する。また、Nkx2.1の遺伝子発現が蛍光で検出できるトランスジェニック・メダカを作出、継代し、系統を確立する。 3)両生類の副甲状腺に特徴的なmRNAの解析:成長過程にある小型のウシガエルを用いて副甲状腺由来cDNAライブラリーを作製し、副甲状腺ホルモンcDNAおよびその他の特徴的因子を同定する。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度の直接経費は約2,180,000円である。H24年度は、多くの面で節約を心がけたこと、大学内の業務が増え多忙になったことにより、消耗品等に充てる研究費を予定額使用するに至らず、約950,000円の繰り越し金が生じた。Tillingメダカの継代により飼育スペースが不足しているので、H25年度は、まず小型魚類の飼育装置を消耗品などを含め総額約1,300,000円で購入する。その他必要な備品類は基本的には揃っているので、本年度の研究費は主として、本研究を遂行するにあたり必要な、チップ、チューブ、チューブラック等のプラスチック製品、Taqポリメラーゼ、制限酵素等の酵素類を初めとした消耗品に1,480,000円使用する。また、学会参加費、研究打ち合わせ、文献調査等の旅費として200,000円使用する。その他、抗体作製費、DNAの塩基配列解析費、論文校閲として500,000円使用する。
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