研究概要 |
平成23年度は、無尾両生類のウシガエルおよびアマガエルにおいてGHS-R1aを同定し、遺伝子発現部位(脳や胃腸管)ならびに受容体がSer3、Thr3に対してリガンド選択性を示さないことを明らかにした。平成24年度は、有尾両生類のアカハライモリにおいてGHS-R1aを同定し、遺伝子発現部位(脳、胃腸管、皮膚)、受容体がSer3、Thr3に対してリガンド選択性を示すことを明らかにした。また、無尾両生類のヒキガエルから371アミノ酸からなるGHS-R1aを同定した。 平成25年度は、ヒキガエルGHS-R1aの特徴付けを行い、Ser3、Thr3に対してリガンド選択性を示さないことを明らかにし、有尾両生類の結果も踏まえると、これは無尾両生類GHS-R1aの特徴である可能性が示唆された。また、有尾両生類で幼形成熟するメキシコサラマンダー(アホロートル)のGHS-R1aの同定を試みた。2つのGHS-R様の断片, GHSR1, GHSR2を得たので、RACE-PCRによりそれぞれの全長の増幅を試みたが現時点で完全長のクローン化は成功していない。全身組織における転写産物の分布を調べたが、GHSR1は脳、胃腸管、脾臓に多く、GHSR2は脳、胆嚢で発現していた。増幅できない原因を探るべくグレリン受容体ファミリーでもあるGPR39、NTSR1のクローニングも平行して行っている。 また、イモリにおいてグレリンの摂食調節に対する効果を検討した。腹腔内に1、10 pmol/g BWのイモリグレリンを投与したが、摂食促進あるいは抑制効果は認められなかった。また、4日、2週間の絶食時におけるグレリン、GHS-R1aの遺伝子発現変化を調べた。絶食4日後に脳、下垂体においてグレリンならびにGHS-R1a遺伝子発現の増加が、絶食2週間後では胃のグレリンならびにGHS-R1a遺伝子発現の増加が認められた。
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