インド-太平洋のサンゴ礁域に広く分布するハゼ亜目シラスウオ類は,幼形進化的な小さな脊椎動物(体長20mm,重さ2mg以下)であり,最も早熟でもある(最短成熟齢23日).これらの多様化プロセスを明らかにするために,ハゼ亜目を網羅したスーパーマトリクス法による500種近くの大規模系統解析,分岐年代推定および多様化速度とハビタットの変遷の推定をおこなった.これらの結果から,シラスウオ類は3000万年前頃に海で遊泳性のタンザクハゼ類と分岐したと考えられた.多様化速度の変化は他のハゼ類と比較して急激な上昇などは検出されず,分岐が古いことからハゼ類全体の多様化速度と同程度であることが推定された.
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