研究概要 |
ヒドラ属に属するクロレラを細胞内共生させているviridissimaグループのヒドラ6系統とそのうちの2系統から共生クロレラを除去した2系統のヒドラを用いて、宿主のヒドラの分子系統のトポロジーと共生クロレラの分子系統のトポロジーが一致すること、共生クロレラが無性生殖・有性生殖いずれの場合でも垂直伝播することを明確にし、その起源の年代やその後の進化等についてのについて考察を行って論文, (Symbiosis between hydra and chlorella: Molecular phylogenetic analysis and experimental study provide insight into its origin and evolution. Kawaida, Hitomi; Ohba, Kohki; Koutake, Yuhki; Shimizu, Hiroshi; Tachida, Hidenori; Kobayakawa Yoshitaka. MOLECULAR PHYLOGENETICS AND EVOLUTION vol.66: 906-914 )にまとめ発表した。 また、その後の研究によって有性生殖時に共生クロレラが経卵的に垂直伝搬する過程を詳細に明らかにすることができ、viridissimaグループのヒドラ間では、人為的な共生クロレラの交換が比較的自由に可能で、その新しい共生関係が長期に渡って維持されることも明らかになりつつある。さらに、vulgarisグループに属する複数のヒドラの系統においてクロロコッカムとの共生が起こり、長期にわたって維持されることも明らかになりつつある。
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