研究課題/領域番号 |
23570125
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研究機関 | 千葉県立中央博物館 |
研究代表者 |
原田 浩 千葉県立中央博物館, その他部局等, 研究員 (60250148)
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キーワード | 地衣類 / 淡水生 / 分類 |
研究概要 |
高知県と愛媛県において野外調査を実施し,標本を収集した.これに前年度までの収集品とを加え,淡水生被果地衣類等の分類学的検討を行った.特に平成24年度は,これまで日本産種が十分に検討されていなかったマルミゴケ属(Thelidium)の検討を進め,日本産として6種(2新種と日本新産2種を含む)を認め,詳細な記載と図示を行った.次いで,同様に日本産種が十分に検討されていないマルゴケ属(Porina)については,岩上生種と樹皮着生種を含めて分類解明を試みた.年度末までに12種類を認めているが,最終的な同定には至っていない.これらの属についての研究成果と,これまでの知見を合わせて,日本の淡水生被果地衣類の多様性についての解明状況をまとめ,日本地衣学会大会にて発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度本格的に開始したマルゴケ属については,予想以上に多数の標本が得られ,また検討した結果おおむね想定範囲内の種数を確認した.これらの既知種との比較を試みているが,従来の知見(特に記載が不十分,図が無いなど)が不十分のため,同定に予想以上に時間がかかってしまった.
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今後の研究の推進方策 |
現在検討中のマルゴケ属については,分類学的決着(同定)が着くか否かにかかわらず,今年度内に記載と図示による全種の目録と検索表を完成させる.これまでの予備調査により確認している3属(ミドリサネゴケ属Staurothele,コアミゴケ属Anisomeridium,マンジュウゴケ属Strigula)について,今年度後半から来年度前半に分類学的検討を完了させる予定.方法は,基本的には昨年度までと同様で,野外調査による標本収集と,収集標本に対する形態精査を行い,分類学的検討を行い,淡水生被果地衣の多様性を明らかにする.
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次年度の研究費の使用計画 |
補足的な野外調査,成果発表のための学会発表に旅費を使用する.収集資料の標本化作業,データ整理,実験補助等に謝金を充てる.物品費としては,標本作製消耗品,実験ガラス器具,薬品,文具等への使用を予定している.成果発表論文の印刷経費等が必要となる(その他).
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