CaポンプによるCa2+輸送はリン酸化中間体(EP)を経由する。EP異性化では、触媒部位を持つ細胞質領域の構造変化が膜領域の輸送部位に伝わりCa2+を内腔に放出する。そこで両領域を繋ぐ、ヘリックスM2とそれに続くlinkerの機能的役割を変異導入で調べた。その結果、構造上区別される3つの構成部分が、ATP加水分解とCa2+輸送の共役、EP加水分解、細胞質側または内腔側gateの開閉、非リン酸化中間体のCa2+による活性化に機能することが示された。即ち、各反応段階に応じてM2~linkerの各部分が構造変化し、両領域間の相互応答によるエネルギー共役に重要な機能を果たすことが示された。
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