• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

環境に応答して働く転写因子のDNA結合様式の変化

研究課題

研究課題/領域番号 23570136
研究機関大阪大学

研究代表者

小林 一雄  大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (30116032)

キーワード転写因子 / DNA / 酸化ストレス / 鉄イオウクラスター
研究概要

バクテリア内に存在し、薬物や重金属、酸素などの種々のストレスに対して応答し、転写活性を持つMerRファミリーという転写因子群が存在する。このファミリーの大きな特徴は、ストレスがかかるとタンパクの構造が変化し、それに伴って結合したプロモーターDNAが歪んだ構造をとることである。大腸菌内にはMerRファミリーに属し、酸化ストレスに応答して転写活性を持つSoxRという転写因子が存在する。SoxRはそのセンサー部位に[2Fe-2S] クラスターを持ち、この可逆的な一電子酸化還元によって転写制御されている。 SoxR-DNA複合体の酸化型の構造は、プロモーターDNAが、他のMerRファミリーと同様に歪んだ構造をとっている。それに対して還元型SoxRは結合したDNAの構造変化については不明である。本研究では、DNA鎖中に蛍光プローブとしてアデニンを2-Aminopurine (2AP) 、シトシン (C) をPyrrolo-C とそれぞれ置き換え、SoxRの酸化還元による蛍光強度の違いを観察した。プロモーター配列の中心部 (A1、A1’) に2APを導入したDNAにおいて、還元剤であるチオナイトを加えると蛍光強度は大きく減少し、362 nmから370 nmへピークシフトが見られた。さらに、[2Fe-2S]クラスター結合ドメインを持たずプロモーターDNAへの結合能は変わらないSoxRの変異体 を用いて同様の実験を行ったところ、ジチオナイトを入れる前後で蛍光スペクトルには変化が見。以上の結果より、SoxRの鉄イオウクラスターの酸化還元によって、プロモーターDNAの特に中心部で大きな構造変化が起こり、SoxRの転写活性の制御においてこの中心部における構造変化が重要であるということが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Oxidative Stress Sensing by the Iron-Sulfur Cluster in the Transcription Factor, SoxR2014

    • 著者名/発表者名
      小林一雄, 藤川麻由, 古澤孝弘
    • 雑誌名

      J. Inorganic Biochem.

      巻: 133 ページ: 87-91

    • DOI

      10.1016/j.jinorgbio.2013.11.008

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Mechanistic Studies on Formation of the Dinitrosyl Iron Complex of2014

    • 著者名/発表者名
      Kazuo Kobayashi, Mayu Fujikawa, and Takahiro Kozawa
    • 雑誌名

      J. Biochem

      巻: ー ページ: ー

    • DOI

      org/10.1016/j.jinorgbio.2013.11.008

    • 査読あり
  • [学会発表] 鉄イオウタンパク質 (SoxR) におけるジニトロシル鉄錯体の生成初期過程2014

    • 著者名/発表者名
      藤川麻由、小林一雄、古澤孝弘
    • 学会等名
      第94回日本化学春季年会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      20140328-20140328
  • [学会発表] パルスラジオリシス法で見る一酸化窒素と金属タンパク質との反応2013

    • 著者名/発表者名
      藤川麻由、小林一雄、古澤孝弘
    • 学会等名
      第56回放射線化学討論会
    • 発表場所
      広島大学
    • 年月日
      20130927-20130929
  • [学会発表] 蛍光プローブ法で観る[2Fe-2S] クラスターを持つ転写因子に結合したDNAの構造変化2013

    • 著者名/発表者名
      藤川麻由、小林一雄、古澤孝弘
    • 学会等名
      第40回生体分子科学討論会
    • 発表場所
      大阪大学
    • 年月日
      20130608-20130609

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi