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2011 年度 実施状況報告書

核酸-タンパク質複合体構造を基盤としたLINEの転移プロセスの解明

研究課題

研究課題/領域番号 23570139
研究機関徳島大学

研究代表者

真板 宣夫  徳島大学, 疾患酵素学研究センター, 准教授 (00404046)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードレトロトランスポゾン / 結晶構造解析
研究概要

23年度はLINE-ORF2pの前半部分であるEN-Mybドメインに焦点を当て、構造解析まで行う計画であった。由来が異なると構造解析が容易になる場合があるため、これまでよりも多様なLINEを用いて行うことにした。前年度までにTras1、R1Bm、Sart1、R2Bm、R7のORF2p全長の発現ベクター構築を行い、発現を確認したところ、Sart1以外殆ど発現していないことが分った。これを踏まえ、新たにEN-Mybドメインの発現ベクターを構築した。用いたのはヒトL1、Tras1、R1Bm、Sart1、R2Bm、R7のHisタグ及びGSTタグを構築し、それぞれCodon Plus宿主に入れて発現を確認したが、Sart1以外では殆ど発現しなかった。Tras1に関しては、Mybの長さを変えて1-476、1-458、1-438、1-428残基までの4種類のコンストラクトを構築したが、Hisタグでは全滅、GSタグでも1-428以外は発現が見られなかった。そこでGST-Tras1(1-428)の精製を検討したところ、タグを切断すると速やかに分解されてしまうことが分った。そこでGST-Sart1_EN-Mybについて精製を検討したところ、3Cプロテアーゼによるタグ切断の効率が低い上に沈殿しやすいことが分った。多くのコンストラクトで発現が見られないか、非常に低い点については、大腸菌の稀コドンが多く含まれていることが考えられる。またコンストラクトの設計が不適切で、タンパク質が分解されやすい位置に停止コドンを入れてしまっていることが考えられる。改善策として、これまでの研究経過を鑑みると大腸菌での発現から離れた方が良いと思われる。そこで本年度は昆虫細胞を用いた発現系の構築を行う。Tras1やR1Bmは蚕由来であるので、大腸菌よりも安定に発現することが期待できる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

当初の計画では結晶構造解析まで行う予定であったが、最初の段階の精製が上手くいっていないため、計画の半分も達成していない。発現させる領域が長く、サブクローニングに時間がかかってしまったことと、大腸菌での発現に拘ったことが理由である。結晶が出るまで時間がかかったとしても、良質の回折データが得られれば構造解析までは4か月程度で終了出来るので、3年を通しての目標達成は可能であると考える。

今後の研究の推進方策

24年度は昆虫細胞を用いた発現系を構築する。常法であるヨトウガ(Sf9)を行うが、同時に蚕個体を用いた発現系も試みる。恒温振盪培養器などそのために必要な機材は新たに購入する。プラスミドなど発現系に必要な遺伝子は共同研究先である東大藤原研から供与していただくほか、自研究室で新たに構築する。昆虫細胞の培養の手法を習得するため、当手法を行っている京大白川研または東大藤原研へ年3回程度出張する。出来るだけ24年度内に精製を完了し、結晶化まで行い、25年度には構造を明らかにしたい。

次年度の研究費の使用計画

繰越しの理由としては、(1)結晶が得られなかったため、予定よりも放射光施設への出張回数が少なかった、(2)事務から戻された間接経費の額が予想以上であった、ことがあげられる。24年度は繰越し分も合わせて、当初の研究計画には無かった昆虫細胞を用いた発現系の構築に必要な機材を購入する。そのうち、備品は恒温振盪培養器で、TAITEC社のBR-22FP・MR(\590,000)を一つ購入予定である。消耗品としては昆虫細胞培養用培地、試薬、フラスコ、プレート等、合わせて\500,000程度を使用する。また東大への出張が\180,000、京大への出張が\120,000程度を予定している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Crystallization strategy for the glycoprotein-receptor complex between measles virus hemagglutinin and its cellular receptor SLAM2012

    • 著者名/発表者名
      Hashiguchi T, Ose T, Kubota M, Maita N, Kamishikiryo J, Maenaka K, Yanagi Y.
    • 雑誌名

      Prot Pept Lett

      巻: 19 ページ: 468-473

    • DOI

      10.2174/092986612799789314

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Crystallographic snapshots of Tom20-mitochondrial presequence interactions with disulfide-stabilized peptides2011

    • 著者名/発表者名
      Saitoh T, Igura M, Miyazaki Y, Ose T, Maita N, Kohda D.
    • 雑誌名

      Biochemistry

      巻: 50 ページ: 5487-5496

    • DOI

      10.1021/bi200470x

    • 査読あり
  • [学会発表] Crystal structure of human alpha-L-iduronidase2011

    • 著者名/発表者名
      Nobuo Maita et al.
    • 学会等名
      XXII Congress and General Assembly of the International Union of Crystallography
    • 発表場所
      Madrid, Spain
    • 年月日
      2011 – Aug24

URL: 

公開日: 2013-07-10  

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