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2013 年度 実施状況報告書

ゴルジ体構造維持タンパク質golginファミリーによる輸送小胞の運命決定機構

研究課題

研究課題/領域番号 23570149
研究機関福岡大学

研究代表者

三角 佳生  福岡大学, 医学部, 准教授 (10148877)

キーワード細胞小器官 / ゴルジ体 / 小胞輸送 / golgins
研究概要

golgin-84は繋留タンパク質COG複合体やCASPと相互作用することで、ゴルジ体の輸送小胞を正確に標的膜に結合させることが報告されている。本研究は繋留タンパク質が輸送小胞を正確に標的膜に運ぶ機構の解明を目的としてゴルジ体局在タンパク質goginと相互作用をするタンパク質の検索をおこなった。この過程でgolgin-84が特異的なモータータンパク質と相互作用することを新しく見いだした。golgin-84はkinesin2のアイソタイプサブユニットKIF3Cと結合し、これは酵母Two-hy, 免疫共沈、in-vitro pull-down解析で示された。
golgin-84ともう一つのkinesin2のアイソタイプサブユニットKIF3Bとの結合は見いだせなく、KIF3C特異的と考えられる。KIF3Cノックダウン(KD)とKIF3B KD細胞におけるゴルジ体で糖鎖の修飾を受けるライソゾーム糖タンパク質lamp1と形質膜糖タンパク質CD44の挙動を観察したところ。どちらのKIF3のKDでもこれらの糖鎖タンパク質の糖鎖の修飾に変化は見られなかった。このことはKIF3B,Cともにゴルジ体間及びゴルジ体―小胞体間のretrogradeな輸送には関与しないことを示唆する。さらにKIF3C KD細胞においてlamp1の蓄積がKIF3B KDによってCD44の集積がおこることが観察された。このことはKinesin2アイソタイプがそれぞれ異なったpost-Golgiの輸送にかかわっていることを示している。おそらくKIF3Cがトランスゴルジ体からライソゾームへの、KIF3Bが形質膜からトランスゴルジまたは、トランスゴルジ体からエンドソームの輸送へ関わっていると考えられる。今までkinesin2(kif3A+kif3B) はER-Golgi間retrograde 輸送に働くと考えられてきたが、我々の結果はkinesin2のアイソタイプがそれぞれ異なった新しい働きをすることを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

概要に述べた繋留タンパク質golgin-84とkinesin2の相互作用がpost-Golgi の小胞輸送に関わっていることをほぼまとめて、論文投稿中である。

今後の研究の推進方策

我々のgolgin-84と相互作用タンパク質CASPとの関係解析結果やkinesin2(kif3A+kif3C)とCASPの相互作用の証明はこれまでのCASPの機能を考えなおす必要をもたらした。さらにゴルジ体間逆輸送に関係するgolgin-84とCOG複合体の相互作用とpost-Golgi小胞輸送へのgolgin-84の使い分けについてどのような機構により調節されているかの解析が重要である。

次年度の研究費の使用計画

現在投稿中の論文が実験の追加、修正による変更を求められていて、再投稿論文の受理に到達するのが予算の執行期限内(平成25年度末)では困難であると予想される。ついては論文の英語校正、投稿・掲載費用に予定していた予算が未使用となった。現在の進捗からかんがみて、予算を正しく執行するには1年以内の延長が必要である。
論文の英語校正及び論文掲載料

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件)

  • [雑誌論文] Association of nonsense mutation in GABRG2 with abnormal trafficking of GABAA receptors in severe epilepsy.2014

    • 著者名/発表者名
      Ishii A, Kanaumi T, Sohda M, Misumi Y, Zhang B, Kakinuma N, Haga Y, Watanabe K, Takeda S, Okada M, Ueno S, Kaneko S, Takashima S, Hirose S.
    • 雑誌名

      Epilepsy Res.

      巻: 108 ページ: 420-432

    • DOI

      10.1016/j.eplepsyres.2013.12.005.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A human Dravet syndrome model from patient induced pluripotent stem cells.2013

    • 著者名/発表者名
      Higurashi N, Uchida T, Lossin C, Misumi Y, Okada Y, Akamatsu W, Imaizumi Y, Zhang B, Nabeshima K, Mori MX, Katsurabayashi S, Shirasaka Y, Okano H, Hirose S
    • 雑誌名

      Mol Brain

      巻: 6 ページ: 6-19

    • DOI

      10.1186/1756-6606-6-19

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Construction of new cloning vectors that employ the phytoene synthase encoding gene for color screening of cloned DNA inserts in Thermus thermophilus2013

    • 著者名/発表者名
      Fujita A, Misumi, Y, Honda S, Sato T, Koyama Y
    • 雑誌名

      Gene

      巻: 527 ページ: 655-662

    • DOI

      10.1016/j.gene.2013.06.069

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A new role for RINT-1 in SNARE complex assembly at the trans-Golgi network in coordination with the COG complex.2013

    • 著者名/発表者名
      A new role for RINT-1 in SNARE complex assembly at the trans-Golgi network in coordination with the COG complex.
    • 雑誌名

      Mol Biol Cell

      巻: 24 ページ: 2907-2917

    • DOI

      10.1091/mbc.E13-01-0014.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification of a soluble isoform of human IL-17RA generated by alternative splicing2013

    • 著者名/発表者名
      Sohda M, Misumi Y, Tashiro K, Yamazaki M, Saku T, Oda K.
    • 雑誌名

      Cytokine

      巻: 64 ページ: 642-645

    • DOI

      10.1016/j.cyto.2013.09.012

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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